
肛門外科
肛門外科
尼崎市の阪急塚口駅前いのうえ消化器内科・内視鏡クリニックでは、肛門外科の診療も毎日行っています。肛門外科は、「おしりの病気」を専門に取り扱う診療科です。「日本人の約半数が痔を経験する」と言われるほど、私たちにとっておしりの悩みは非常に身近なものです。近年では、新型コロナウイルス流行による在宅ワークの普及も影響し、おしりのトラブルを抱える方が増えています。
肛門には、痔核(いぼ痔)、裂肛(切れ痔)、痔ろう(あな痔)といった三大肛門疾患をはじめ、肛門周囲膿瘍、肛門周囲炎、肛門ポリープ、直腸脱、肛門カンジダ症、尖圭コンジローマなど、さまざまな疾患が発生します。当院では、これらの症状に対し、豊富な肛門診療の経験を活かして適切な治療法や予防策をご提案いたします。また、痔の中で最も多い内痔核(肛門内側にできるいぼ痔)に対しては、ジオン注射(ALTA療法)という「メスで切らない治療」にも対応しており、患者様への負担を軽減した治療を行っています。
どうしても、「恥ずかしい」という気持ちから受診をためらう方も多いかと思いますが、症状を放置してしまうと悪化してしまうだけでなく、他の病気の発見が遅れる可能性もあります。当院では、患者様のお気持ちに寄り添い、恥ずかしさを和らげるための配慮を徹底しております。プライバシーが守られた環境で丁寧に診療を行いますので、安心してご相談ください。
痔や肛門疾患は、放置してしまうと症状が悪化し、切除手術が必要になることもあります。また、痔核(いぼ痔)や裂肛(切れ痔)、痔ろう(あな痔)だけでなく、肛門周囲膿瘍や直腸脱などの疾患が隠れている可能性もあります。
このような症状がある方はご相談ください。
異変を感じたら、早めの受診で症状の悪化を防ぎましょう。当院では、患者様のプライバシーに配慮した環境で、安心して受診いただける診療を心がけています。
1.経験豊富な医師による診療
当院では、肛門診療の経験が豊富な医師が診察と治療を担当します。いぼ痔(痔核)、切れ痔(裂肛)、肛門周囲膿瘍、痔ろうなど幅広く対応可能です。患者様一人ひとりの症状や背景に寄り添い、最適な治療法をご提案します。
2.プライバシーに配慮した環境
当院では、患者様のプライバシーを徹底的に尊重しています。診察室は外部から見えない設計になっており、医師やスタッフが細やかな配慮を行っています。羞恥心を軽減し、どなたでも安心して受診いただけるよう努めています。
3.性別や状況に配慮した柔軟な診療体制
当院では、女性の方をはじめ、すべての患者様が安心して診察を受けられる環境を整えています。肛門の診察時には、診察室内にカーテンを設置し、腰にバスタオルをかけて臀部を覆うなど、必要最小限の範囲だけを開けて診察を行います。また、女性患者様の場合は、必ず女性スタッフが立ち会い、羞恥心を軽減するよう配慮しています。患者様が少しでもリラックスして診察を受けられるよう、丁寧に対応させていただきますので、どうぞご安心ください。
内痔核は、肛門内の静脈がうっ血して膨らむ「いぼ痔」の一種で、出血、腫れ、かゆみ、肛門からの脱出といった症状がみられます。痛みが出ることは少ないですが、炎症や裂肛(切れ痔)を伴うと痛みを感じることがあります。原因として、いきみや長時間の座位、不規則な食生活、妊娠・分娩時のいきみ、ホルモンバランスの変化などが挙げられ、最近ではスマートフォン利用によるトイレ滞在時間の長さが若い世代の発症に影響していると言われています。
当院では肛門鏡検査や大腸カメラ検査で診断を行い、症状に応じて内服薬や軟膏による治療を行います。症状が重い場合には、日帰りにて15分程度で行えるジオン注射(ALTA療法)を用いた「切らない治療」に対応しています。また、便秘改善や適切な排便習慣の指導を通じて再発予防にも努めています。
外痔核は、肛門の外側に発生する「いぼ痔」の一種で、痛みを伴うことが多いのが特徴です。慢性型では肛門周囲にスキンタグが見られ、急性型では血栓性と浮腫性に分かれ、腫れや出血を引き起こすことがあります。外痔核は痛覚神経のある部位に発生するため、痛みを感じることが多く、血栓が大きくなると皮膚が破れて出血を伴うこともあります。
炎症を抑える軟膏による治療で、症状が改善します。血栓が大きく痛みが強い場合には、局所麻酔下で血栓を除去する手術を行うこともあります。また、入浴による局所の温めは血流を改善し、症状の緩和に効果的です。
裂肛は、いわゆる「切れ痔」と呼ばれるもので、便秘や下痢などの刺激で肛門出口の皮膚が裂ける状態を言います。排便時にトイレットペーパーに鮮やかな赤い血が付着したり、ひりひりとした痛みを感じることが主な症状です。傷が治る過程で、肛門ポリープや皮膚が盛り上がる肛門皮垂が形成されることがあります。
特に20~50代の女性に多く見られる疾患で、治療では軟膏による傷の治癒促進と、排便をスムーズにするための便通改善が基本です。適切な食事指導や水分摂取、生活習慣の改善も併せて行います。
肛門周囲膿瘍は、直腸と肛門をつなぐ肛門管から細菌が侵入し、肛門周囲に感染することで発症します。肛門周囲に膿(うみ)がたまり、皮膚の腫れや痛み、発熱を伴います。裂肛(切れ痔)から発生するものや、クローン病に合併するものもあります。
膿が多くたまっている場合は、局所麻酔下で切開して膿を排出します。症状の程度や、併存疾患に応じて抗生物質の内服を行います。
痔ろうは「あな痔」とも呼ばれ、直腸と肛門周囲の皮膚の間に瘻管(ろうかん)というトンネルができてしまう痔のことです。肛門周囲膿瘍が治癒する過程で形成されることが多く、肛門周囲膿瘍の患者様の約30%に発生すると言われています。
痔ろうは薬で治すことはできず、治療には手術が必要です。手術を行わずに長年放置してしまうと肛門変形の原因になったり、まれにがん化(痔ろうがん)したりすることもあります。痔ろうと診断されたら速やかに適切な治療を受けることが重要です。
診察の前に、web問診または問診票に「いつから、どのような症状が起きたか」などを記入していただきます。以下の点を教えてください。
また、服用中のお薬がある場合はお伝えください。
下記の順序で診察を行います。
問診票をもとに症状の確認を行います。次のような点についてお尋ねします。
診察台をカーテンで覆い、患者様には体の左側を下にして横向きで寝ていただきます。この際、着衣を膝まで下ろしていただき、臀部にバスタオルをかけた状態で診察します(女性患者様の場合は必ず女性スタッフが立ち会います)。
おしりの周囲を観察し、発赤、腫脹(皮膚の腫れ)などがないか確認します。
医療用手袋を装着し、人差し指に潤滑ゼリーを塗布して診察します。以下の点を確認します。
痛みに配慮して丁寧に行います。
肛門鏡という筒状の器具に十分な潤滑ゼリーを塗り、肛門内を目視で確認します。肛門鏡は径が細い小児用のものもご用意しているため、痛みに敏感な方にもご対応可能です。
検査時間は1〜2分程度で、以下の情報を得ることができます。
この検査により、肛門疾患(痔核、裂肛など)だけでなく、大腸疾患(潰瘍性大腸炎、大腸がんなど)の手がかりも得られます。
一連の診察の結果をわかりやすい言葉で丁寧に説明します。
おしりの病気が見つかった場合は、病気に応じた適切な治療法についてご提案させていただきます。