
阪急塚口駅前いのうえ消化器内科・内視鏡クリニックです。
当院は、胃腸の不調の診療を専門とする、消化器内科クリニックです。
4月・5月には、いわゆる「胃腸かぜ」と呼ばれるウイルス性の腸炎(ノロウイルス、ロタウイルスなど)が多く見られました。
しかし6月に入ってからは、細菌が原因となる「細菌性腸炎」の患者さんが増えてきています。
その中でも特に多いのが、「カンピロバクター腸炎」です。
■ カンピロバクターってどんな菌?
カンピロバクターは、鶏肉や井戸水、ペットなどを介して感染する細菌です。
日本では年間数千人が感染しているとされ、食中毒の原因としても最も多い菌のひとつです。
■ 主な感染経路
・加熱不足の鶏肉(特に鶏刺しや焼き鳥の生焼け)
・肉を扱った調理器具・まな板・手指の二次汚染
・ペット(犬・猫・鳥など)との接触や糞便からの感染
・湧き水や消毒されていない井戸水の摂取
■ 症状と経過
カンピロバクターに感染すると、感染から1~7日後に以下のような症状が現れます:
・突然の発熱(38℃以上)
・腹痛・下痢(水様便〜血便)
・吐き気・頭痛・倦怠感 など
通常は数日で軽快しますが、重症化する例や二次的な合併症(ギラン・バレー症候群など)につながることもあるため注意が必要です。
■ 当院でできる検査・対応
当院では、カンピロバクター腸炎をはじめとする感染性腸炎に対し、迅速かつ的確な対応を行っています。
・当日中に結果のわかる血液検査(炎症反応や脱水の評価)
・腹部CT検査による腸の炎症範囲の確認(必要時)
・血便などの異常があれば、大腸カメラ検査も対応可能(必要時)
症状の程度や全身状態を見ながら、必要最小限で正確な診断・治療を行うよう心がけています。
■ 予防のポイント
カンピロバクター感染を防ぐために、以下の点に注意しましょう:
・鶏肉は中心までしっかり加熱(75℃で1分以上)
・生肉を扱った包丁・まな板・手はすぐに洗浄・消毒
・生の鶏肉をなるべく食べない(鶏刺し・タタキなど)
・ペットとの過度な接触後は手洗いを徹底
小さなお子さまや高齢の方がおられるご家庭では特に注意が必要です。
■ 最後に
6月〜夏にかけては、細菌性腸炎が目立つ時期です。
「ただの下痢」「夏バテかな」と思っていたら、思わぬ細菌感染だったということも少なくありません。
気になる症状があるときは、どうぞお早めにご相談ください。
安心して相談できる場所として、丁寧に対応いたします。
※こんな症状がある方はご相談を
・発熱を伴う下痢や腹痛
・鶏肉を食べた後におなかを壊した
・血便が出た/体重が減ってきた
・下痢が長引く