
尼崎市の阪急塚口駅前いのうえ消化器内科・内視鏡クリニックです。
抗生剤(抗菌薬)は、細菌感染症の治療に不可欠な薬です。しかし「腸内細菌叢」という体にとって重要な微生物環境にも大きな影響を及ぼすことが知られています。抗生剤を安易に使うことで、思わぬ副作用や合併症が生じることがあり、特に偽膜性腸炎は代表的なリスクです。本記事では、抗生剤と腸内細菌の関係、そして正しい付き合い方について解説します。
腸内細菌とは?その役割
人の腸には数百種類、数十兆個の細菌が共生しており、これを腸内フローラと呼びます。腸内細菌は以下のような役割を担っています。
- ・食物繊維を分解し、短鎖脂肪酸を産生して腸粘膜のエネルギー源となる
- ・ビタミンの合成や代謝に関与
- ・免疫系を調節し、感染やアレルギーから体を守る
- ・有害菌の増殖を抑える
抗生剤が腸内細菌に及ぼす影響
抗生剤は感染症の原因となる細菌を抑える一方で、腸内の善玉菌にもダメージを与えてしまいます。その結果、腸内バランスが乱れ、以下のような症状が現れることがあります。
- ・下痢や腹痛
- ・腸内ガス増加によるお腹の張り
- ・便通異常の長期化
特に広域スペクトルの抗生剤は、幅広い菌を抑えるため、腸内環境への影響も強くなりやすいです。
偽膜性腸炎とは?
抗生剤使用の副作用として有名なのが偽膜性腸炎です。これはクロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)という菌が異常増殖することで引き起こされます。
- ・症状:水様性下痢、腹痛、発熱、脱水など
- ・重症化すると大腸炎が進行し、腸切除が必要になることもある
- ・抗菌薬使用歴がある高齢者や入院患者で特に多い
抗生剤の投与が引き金となり、本来は抑制されている菌が暴走して発症する病気であり、腸内細菌バランスの崩れを如実に示しています。
なぜ安直な抗生剤投与を避けるべきか
抗生剤は必要な場面でのみ使うべき薬です。風邪の多くはウイルス感染であり、抗生剤は効果を示しません。それにも関わらず安易に抗生剤を投与すると、次のリスクが高まります。
- ・抗菌薬耐性菌の出現
- ・腸内フローラの乱れによる消化器症状
- ・偽膜性腸炎など重篤な副作用
そのため、抗生剤は「本当に必要な時に、最小限の期間」で使用することが大原則です。
腸内環境を守るためにできること
抗生剤を使用する際や使用後は、腸内環境をできるだけ早く回復させることが大切です。
- ・医師の指示のもとで整腸剤(例:ミヤBM、ビオフェルミン、ビオスリーなど)を併用する
- ・発酵食品(ヨーグルト、納豆、味噌など)を取り入れる
- ・水溶性食物繊維を意識的に摂取し、善玉菌のエサを補給する
- ・十分な水分補給と規則正しい生活で腸のリズムを整える
まとめ
抗生剤は命を救う強力な薬である一方で、腸内細菌バランスを崩し、下痢や偽膜性腸炎といった合併症のリスクを伴います。
安直な抗生剤投与は避け、必要な場合に限り、適切な種類と期間で使用することが大切です。当院では症状に応じて整腸剤の併用や生活習慣のアドバイスを行い、患者さんが安心して治療を受けられるようサポートしています。
長引く下痢や腹痛でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
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