腸が黒くなる?|「痩せ薬」防風通聖散のリスクと注意点|阪急塚口駅前いのうえ消化器内科・内視鏡クリニック|尼崎市の胃カメラ・大腸カメラ

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腸が黒くなる?|「痩せ薬」防風通聖散のリスクと注意点

腸が黒くなる?|「痩せ薬」防風通聖散のリスクと注意点|阪急塚口駅前いのうえ消化器内科・内視鏡クリニック|尼崎市の胃カメラ・大腸カメラ

尼崎市・塚口の阪急塚口駅前いのうえ消化器内科・内視鏡クリニックです。

「痩せ薬」として知られる漢方薬防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)。便通を促す目的で用いられ、ダイエット目的で安易に服用する方も少なくありません。
しかし、長期的な服用には腸管メラノーシス(大腸黒皮症)などのリスクが存在します。ここでは特に腸管メラノーシスに焦点を当て、詳しく解説します。

◆ 腸管メラノーシスとは?

腸管メラノーシスとは、大腸粘膜に黒褐色の色素沈着が起こる状態を指します。
原因の多くはアントラキノン系下剤(大黄など)の長期使用によるもので、防風通聖散にもこの成分が含まれています。
内視鏡で観察すると、大腸の粘膜がまだらに黒くなり、「キリンの模様」のように見えるのが特徴です。臨床現場では「黒い腸」と表現されることもあります。

◆ 臨床的な描写と問題点

  • ■ 内視鏡では、大腸粘膜全体が黒褐色~濃褐色に染まって見えます。
  • ■ 色素沈着は粘膜下のマクロファージにリポフスチン様の顆粒が蓄積して起こります。
  • ■ 粘膜の黒色変化の間にポリープが浮き上がって見えることもあり、診断上はポリープの発見率を高める一面もあると報告されています。
  • ■ 一方で、広範囲に色が変わっているため、微小病変が判別しにくくなる場合もあります。

◆ 腸管メラノーシスが示すもの

腸管メラノーシス自体は前がん病変ではないと考えられていますが、
「長期間にわたり腸に強い刺激を与えてきたサイン」であり、以下の問題につながります。

  • 腸の蠕動機能の低下:薬なしでは便が出にくくなり、下剤依存に陥るリスク
  • 便秘悪化の悪循環:服用をやめるとさらに便秘が強くなる
  • 診断上の注意点:色素沈着によって小さな病変が見えにくくなる場合がある

◆ 腸管メラノーシスと大腸がんの関係

腸管メラノーシス自体が直接がんになるわけではないとされています。
しかし、腸管メラノーシスのある患者さんでは、しばしば腺腫(将来がん化する可能性のあるポリープ)が多く見つかることが報告されています。
そのため、腸管メラノーシスは「腸に強い負担がかかっているサイン」と捉え、注意が必要です。

◆ 防風通聖散の長期服用による他のリスク

  • 低カリウム血症:下痢・利尿作用により、筋力低下や不整脈を起こすことがあります。
  • 肝障害:成分の代謝過程で肝機能障害が報告されています。
  • 腎機能障害:利尿作用や脱水により腎機能が低下する可能性があります。

◆ 健康的に痩せるために

防風通聖散は一時的に体重を減らす効果があるかもしれませんが、リスクも大きく、長期的な解決にはなりません。
本来、体重管理は食事・運動・生活習慣の改善が基本です。
どうしても便秘が気になる場合には、医師に相談のうえで安全な下剤や整腸剤の使用を検討することが望ましいです。

まとめ|腸管メラノーシスは「腸からの警告サイン」

防風通聖散の長期使用は腸管メラノーシスを引き起こし、腸の機能低下や便秘の悪循環、内視鏡診断の妨げにつながる可能性があります。
「市販薬だから安心」と思わず、気になる症状や便通異常が続く場合は、早めに専門医にご相談ください。


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