
尼崎市の阪急塚口駅前いのうえ消化器内科・内視鏡クリニックです。
「お酒は百薬の長」と昔から言われるように、適度な飲酒は社交の場を和ませ、気分をリラックスさせる効果があります。しかし、飲み過ぎや習慣的な飲酒は体にさまざまな悪影響を及ぼすことが知られており、とりわけ消化器系の疾患とは密接な関係があります。
本記事ではアルコールと消化器疾患のリスクについて解説し、とくに食道がんや咽頭がんなど、命に関わる重大な病気との関連について詳しくご紹介します。
◆ アルコールが消化器に与える影響
アルコールは胃や腸の粘膜を直接刺激し、消化液の分泌を増やします。一時的に食欲が増したり血流が良くなる効果はありますが、過剰な飲酒を繰り返すことで以下のようなリスクが高まります。
- ・胃炎(胃の粘膜の炎症)
- ・胃潰瘍や十二指腸潰瘍
- ・慢性膵炎(膵臓への負担による)
- ・脂肪肝、アルコール性肝炎、肝硬変
- ・食道炎、逆流性食道炎
◆ アルコールと食道がんの関係
飲酒と最も強い関連が知られている消化器のがんが食道がん(特に扁平上皮がん)です。アルコールそのものが粘膜を刺激するほか、アルコールの代謝産物であるアセトアルデヒドがDNAを傷つけ、がんを引き起こすことが明らかになっています。
特にALDH2という酵素の活性が弱い体質(いわゆるお酒に弱い人)は、アセトアルデヒドが体内に蓄積しやすく、少量の飲酒でも食道がんのリスクが高まることが知られています。
◆ 咽頭がんとの関連
アルコールは咽頭がんのリスク因子としても重要です。咽頭(のど)は食道と連続しており、アルコールやアセトアルデヒドに長くさらされることで発がんリスクが高まります。
とくに食道がんと咽頭がんは同時発生・重複がんとして見つかることもあり、のどや食道の症状を軽視することは危険です。
当院の胃カメラ検査では、食道や胃の病変だけでなく咽頭(のど)の観察も行っています。これにより早期の咽頭がんを発見できることもあり、実際に院長は咽頭がんを内視鏡で見つけるための観察法について著書を執筆した経験があります。
◆ アルコールと他の消化器疾患
アルコールは食道や胃だけでなく、肝臓や膵臓の病気とも深く関わります。
- ・肝臓:長期の多量飲酒は脂肪肝からアルコール性肝炎、肝硬変、さらに肝がんへと進行する可能性があります。
- ・膵臓:アルコールは膵液の流れを妨げ、慢性膵炎や膵がんのリスクを高めます。
- ・胃:粘膜障害から胃炎・胃潰瘍を引き起こし、ピロリ菌感染と合併するとリスクがさらに増します。
◆ 適正飲酒量の目安
厚生労働省は「1日平均純アルコール換算で20g程度まで」を適正飲酒量の目安としています。これは次のように換算されます。
- ・ビール中瓶1本(500ml)
- ・日本酒1合(180ml)
- ・焼酎(25度)グラス1杯(100ml)
- ・ワイン2杯(200ml)
- ・ウイスキーダブル1杯(60ml)
これを超える飲酒を日常的に続けると、消化器疾患や生活習慣病のリスクが確実に上昇します。
さらに40g以上の飲酒を長期にわたって続けると、食道がんや肝障害のリスクは飛躍的に高まります。
顔が赤くなりやすい体質の方はこの目安よりもさらに控えめにする必要があります。
◆ 予防のためにできること
- ・休肝日をつくる(毎日ではなく週に2日は飲まない日を)
- ・飲みすぎを避ける(アルコール20g以下を目安に)
- ・タバコとの併用を避ける(食道がんリスクが相乗的に上がる)
- ・お酒に弱い体質の方は無理して飲まない
- ・定期的に内視鏡検査を受けて早期発見につなげる
◆ 当院での診療
当院では、アルコールに関連した消化器症状(胸やけ、のどの違和感、腹痛、下痢など)に幅広く対応しています。
必要に応じて胃カメラや大腸カメラ、CT・エコーを行い、肝臓や膵臓を含めた包括的な診療を行っています。
院長は京都大学医学部附属病院や大阪国際がんセンターで20,000件以上の内視鏡検査を担当してきた経験があり、質の高い検査・治療を地域でご提供しています。
◆ まとめ
アルコールは適量であれば楽しむことができますが、習慣的な多量飲酒は食道がんや咽頭がんをはじめとする消化器疾患のリスクを大きく高めます。
「のどの違和感」「飲み込みにくさ」「胸やけ」などの症状がある場合は、早めに医療機関での検査が必要です。
当院では眠ったまま受けられる胃カメラ・大腸カメラに対応し、地域の皆さまの健康を守るサポートを行っています。お酒との付き合い方に不安を感じる方も、ぜひお気軽にご相談ください。
当院は、尼崎市・阪急塚口駅北口から徒歩1分の立地にあり、通勤やお買い物ついでにも立ち寄りやすい環境です。
また、伊丹市・西宮市・豊中市・大阪市(淀川区、西淀川区)などの隣接エリアや、
阪急西宮北口駅・武庫之荘駅・園田駅・神崎川駅・十三駅・稲野駅・新伊丹駅・伊丹駅といった周辺の駅からのアクセスも良好です。
JR猪名寺駅、塚口駅、尼崎駅や立花駅からはバスでのご来院も便利です。
遠方からお越しの方にもスムーズにご来院いただけるよう、アクセス情報は公式サイトにも詳しく掲載しています。
胃カメラ・大腸カメラなどの検査をご希望の方も、どうぞお気軽にご相談ください。
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