こんにちは。尼崎市の阪急塚口駅前いのうえ消化器内科・内視鏡クリニックです。
「最近、口臭が気になる」「人と話すときに息がこもる感じがする」――そんな悩みの背景に、ストレスが関係していることがあります。
実は、ストレスは口の中だけでなく胃腸の働きにも大きな影響を与え、結果的に口臭を悪化させることがあります。
今回は、ストレスによる口臭のメカニズムと、見逃してはいけない胃の病気との関係について解説します。

なぜストレスで口臭が強くなるのか

ストレスを感じると、自律神経のバランスが崩れ、唾液の分泌が減少します。
唾液には口内の自浄作用（細菌の繁殖を抑える働き）があるため、唾液が減ると細菌が増えやすくなり、口臭の原因物質（メチルメルカプタンや硫化水素など）が増加します。

• ・ストレス → 交感神経が優位になる
• ・唾液分泌が減る → 口内が乾く
• ・細菌が増える → 揮発性硫黄化合物が発生
• ・結果として、口臭が強く感じられる

特に、緊張や不安を感じているとき、会話中に口が乾く・ネバつくと感じた経験がある方は多いでしょう。
これはまさに、ストレスが口腔環境に影響しているサインです。

ストレスが胃にもたらす影響

ストレスの影響は口だけにとどまりません。
自律神経の乱れによって胃の血流が悪化し、胃酸の分泌が不安定になります。
これにより、胃の粘膜が弱くなり、炎症を起こしやすい状態になります。

結果として、以下のような疾患が起こることがあります。

• ・ストレス性胃炎：胃粘膜が荒れて痛みや不快感が出る
• ・胃潰瘍：胃酸で粘膜が深く傷つき、出血や痛みを伴う
• ・逆流性食道炎：胃酸が食道に逆流し、口臭や胸焼けの原因となる

胃の不調があると、胃の中で食べ物が長く滞留し、消化不良や発酵が進みます。
このとき発生するガス（アンモニアなど）が血液を介して肺に運ばれ、呼気として臭いが出ることもあります。

胃の病気が原因で起こる口臭

ストレスに加え、胃の疾患そのものが直接的な口臭の原因になる場合もあります。

• ・ピロリ菌感染：胃炎や胃潰瘍、さらには胃癌の原因となる菌。胃の中でガスを発生し、独特の臭いの原因となることがあります。
• ・胃潰瘍・十二指腸潰瘍：出血や炎症で消化機能が低下し、胃内容物の腐敗臭が生じることがあります。
• ・胃癌：腫瘍の進行により、組織の壊死や細菌繁殖による悪臭が出ることもあります。

このように、口臭は口の中の問題だけでなく、胃そのものの異常のサインであることも少なくありません。

検査で原因をしっかり確認することが大切

「ストレスのせいかな」と思っても、実際には胃や食道に明確な病変があることもあります。
原因を正確に調べるためには、以下の検査が有効です。

• ・胃カメラ検査：胃炎・胃潰瘍・逆流性食道炎・胃癌などを直接観察し、ピロリ菌感染も確認可能。
• ・血液検査・エコー・CT検査：全身の炎症や臓器の状態を確認。

当院では眠ったまま受けられる胃カメラに対応しており、苦痛の少ない検査を行っています。
京都大学医学部附属病院や大阪国際がんセンターなどで20,000件以上の内視鏡検査を行ってきた院長が、丁寧に診察いたします。

ストレスと上手に付き合うために

ストレスを完全になくすことはできませんが、上手に向き合うことで体への影響を減らすことができます。
以下のような習慣を意識してみましょう。

• ・深呼吸や軽い運動でリラックスする
• ・規則正しい食事と十分な睡眠をとる
• ・カフェインやアルコールの摂取を控える
• ・口の乾燥を防ぐため、水分をこまめにとる

それでも改善がみられない場合は、胃や消化管の精査が必要かもしれません。

まとめ｜「ストレス性の口臭」は胃のサインかも

ストレスによる口臭は一時的なものもありますが、胃炎・潰瘍・ピロリ菌感染・胃癌などが背景にあることもあります。
口臭の原因がストレスだけなのか、あるいは胃に問題があるのかを見極めるには、胃カメラ検査が最も確実です。
気になる症状が続く方は、ぜひ尼崎市の阪急塚口駅前いのうえ消化器内科・内視鏡クリニックにご相談ください。
ストレスと消化器の両面から、安心して笑顔で過ごせる日常をサポートいたします。

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