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尼崎市の阪急塚口駅前いのうえ消化器内科・内視鏡クリニックです。
「水を流すときは蓋(ふた)を閉めるべき?」——コロナ禍以降、しばしば話題になるテーマです。
国立研究開発法人 産業技術総合研究所(産総研)が2024年に公表した実験では、水洗時に生じる飛沫・エアロゾルの空間分布を可視化し、ウイルス飛散量を定量評価しました。ここではその要点をわかりやすく解説し、ご家庭や公共トイレでできる現実的な対策をまとめます。
出典:産総研プレスリリース(2024/10/28)
◆ 研究でわかったこと(要点)
- ・水洗時、直径0.3–10µmのエアロゾルが発生し、前方5–15cm・上方向40cm程度まで到達し得る。
- ・湿度が高いほどエアロゾル総量は増加(相対湿度70%は30%の約4.6倍)。日本は高湿の日が多く、拡散しやすい環境。
- ・蓋を閉めると上方拡散は抑制されるが、便座と蓋のすき間から使用者側へ約15cm「染み出し」が生じる。
- ・模擬ウイルスを用いた実験では、付着場所の内訳は蓋裏・便座(表裏)で過半、外部(便器周辺・壁)にも一部付着。
- ・ただし便器内の総ウイルス量に対し、外部への付着量は10万分の1以下と少量。とはいえゼロではないため注意は必要。
◆ 結論:「蓋を閉める」は“推奨”。ただし「距離」と「清掃」をセットに
研究結果から言える実践ポイントは次の通りです。
- ・蓋を閉めて流すのが望ましい(上方向の拡散を抑制)。
- ・同時にレバー・ボタン操作は便器から15cm以上離れて行う(すき間からの前方染み出し対策)。
- ・手指衛生(石けん+流水30秒/アルコール)を徹底。
- ・便座表・裏、蓋裏、便器前面〜側面、周辺の壁を定期的に拭き取り(家庭では中性洗剤→水拭き→乾拭き、公共では施設基準に準拠)。
- ・換気(換気扇・窓開放)でエアロゾル滞留を軽減。
- ・可能なら自動開閉・自動洗浄、フタ一体型で隙間の少ない設計の採用も有効。
◆ 家庭と公共トイレ:現実的な運用のコツ
- ・家庭:家族が続けて使用する場面では、蓋を閉めて流し、次の人が入るまで数十秒〜1分待つと安心。週数回の重点清掃で「蓋裏・便座裏・便器前面・壁25cm付近」を忘れずに。
- ・公共:蓋のない便器も多い。操作時は便器から距離を置く、飛沫のかかりやすい前縁部や手すり・壁に触れた後は必ず手洗い。個室内の換気扇作動を推奨。
◆ よくある疑問に答えます(Q&A)
- Q1:蓋を閉めれば完全に防げますか?
A:上方拡散は抑えられますが、前方15cm程度の染み出しは残ります。蓋+距離+手洗いの組み合わせが現実的です。 - Q2:感染リスクは高いですか?
A:外部への付着量は便器内の10万分の1以下。絶対量は少ない一方、ゼロではないため、清掃・換気・手指衛生で十分に抑えられます。 - Q3:湿度が高い季節はどうする?
A:エアロゾル総量が増えやすいので、換気の強化と清掃頻度アップが有効です。
◆ 研究の前提と限界(正しく理解するために)
- ・実験は密閉ブース内・特定機種での条件。節水方式・水流設計など機種差で挙動は変わり得ますが、傾向は一般化可能と考えられます。
- ・模擬ウイルスを用いた定量評価であり、実生活のすべての病原体・条件を代表するわけではありません。
まとめ|「蓋+距離+手洗い+換気+清掃」でスマートに衛生管理
蓋を閉めて流すことは合理的ですが、それだけでは十分ではありません。
便器から15cm以上離れて操作・ていねいな手洗い・定期清掃・換気を組み合わせることで、日常のトイレ衛生はより安全に保てます。
当院では、感染症対策・院内衛生の標準化に取り組み、患者さんが安心して受診できる環境づくりを徹底しています。
消化器症状でお困りの際は、どうぞお気軽にご相談ください。
参考・引用
産業技術総合研究所(2024/10/28)「便器のふたを閉めて流してください」は衛生的か?—トイレ水洗時に生じる飛沫の見える化と飛散ウイルスの定量測定に成功—
公式プレスリリース
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