プロテインの摂りすぎが引き起こすおなかの不調|阪急塚口駅前いのうえ消化器内科・内視鏡クリニック|尼崎市の胃カメラ・大腸カメラ

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プロテインの摂りすぎが引き起こすおなかの不調

プロテインの摂りすぎが引き起こすおなかの不調|阪急塚口駅前いのうえ消化器内科・内視鏡クリニック|尼崎市の胃カメラ・大腸カメラ

尼崎市・塚口の阪急塚口駅前いのうえ消化器内科・内視鏡クリニックです。

筋トレやダイエットの流行により、「プロテイン(たんぱく質補給)」が一般的になっています。
しかし、摂り方を誤ると胃腸への負担や消化不良、肝臓・腎臓への影響を招くことがあります。
今回は、消化器内科の立場からプロテイン過剰摂取のデメリットと対策について解説します。

◆ そもそも「プロテイン」とは

「プロテイン」とは英語で「たんぱく質」を意味し、筋肉・臓器・酵素・ホルモンなどをつくる重要な栄養素です。
体に必要なたんぱく質を効率よく摂取できるよう加工された製品が、いわゆる「プロテインサプリメント」です。

一般的な成人では、1日に体重1kgあたり1.0〜1.2gのたんぱく質が必要とされます(厚労省推奨)。
筋トレやスポーツをしている人でも、1.5〜2.0g/kgを超える過剰摂取は注意が必要です。

◆ プロテインを摂りすぎると起こりやすい消化器症状

たんぱく質は胃・膵臓・腸など多くの臓器が関わって分解・吸収されます。
過剰に摂取すると、これらの臓器が処理しきれず、さまざまな不調が出ることがあります。

① 消化不良・胃もたれ

プロテインの多くは動物性(ホエイ・カゼイン)であり、脂質を多く含む製品もあります。
摂りすぎると胃酸分泌や消化酵素の働きが追いつかず、胃もたれや腹部膨満が起こります。
また、食後すぐにトレーニングを行うと胃内容が停滞しやすく、吐き気の原因にもなります。

② 下痢・お腹の張り

特にホエイプロテインは乳由来のため、乳糖不耐症の方では下痢や腹鳴を起こしやすくなります。
人工甘味料(スクラロースなど)や糖アルコール(ソルビトールなど)を多く含む製品も、腸内で発酵してガスを発生させることがあります。
これにより、「ガス型過敏性腸症候群」に似た症状を訴える方もいます。

③ 便秘

プロテインを多く摂る一方で野菜や食物繊維を減らすと、腸内細菌のバランスが乱れ、腸の蠕動が低下します。
腸内の「善玉菌」が減少し、「腐敗菌」が増えることでガスや臭いの強い便が出やすくなります。

④ 腸内環境の悪化

過剰なたんぱく質は腸内で未消化のまま発酵・腐敗し、アンモニアや硫化水素などの有害物質を発生させます。
これが腸内環境を悪化させ、長期的には炎症性変化や過敏性腸症候群の悪化を引き起こすこともあります。

◆ その他の弊害

  • ・肝臓:たんぱく質代謝で生じるアンモニアを解毒する負担が増大
  • ・腎臓:老廃物(尿素窒素)の排出が増え、腎機能低下時には注意が必要
  • ・脱水:尿量が増えるため、同時に水分摂取が不可欠

◆ 安全にプロテインを摂取するためのポイント

① 摂取量を守る

1日のたんぱく質摂取量(食事+プロテイン)は、体重1kgあたり1〜1.5gを目安にしましょう。
例えば体重60kgの方なら、合計60〜90g程度が目安です。

② 食事とのバランスを重視

肉・魚・卵・豆腐などの自然食品から摂ることを基本にし、プロテインは補助的に利用するのがおすすめです。
また、食物繊維・発酵食品・野菜をしっかり摂ることで、腸内環境を保ちやすくなります。

③ 消化を助ける工夫

  • ・1回あたりの量を少なめに分けて飲む
  • ・冷たい水より常温で溶かす(胃腸への刺激を減らす)
  • ・運動後30分以内の摂取を心がける(吸収効率を高める)

④ 体調に合わせて種類を選ぶ

  • ・乳糖不耐症の方 → ソイ(大豆)プロテインやWPI製品を選択
  • ・胃腸が弱い方 → 少量ずつ・就寝前を避ける
  • ・腎機能低下がある方 → 医師に相談して制限量を決定

◆ 消化器内科としてのアドバイス

「お腹が張る」「下痢が続く」「胃がもたれる」といった症状がある場合、単なる飲みすぎではなく、
胃炎・膵炎・過敏性腸症候群などの疾患が隠れていることもあります。
当院では、胃カメラ大腸カメラ、血液検査による肝腎機能チェックも行っています。
サプリメントを含めた生活全体の見直しもサポートいたします。

◆ まとめ|プロテインは「摂り方」が大切

プロテインは、筋肉づくりや健康維持に役立つ一方、摂りすぎると胃腸に負担がかかります。
特にお腹の張りや下痢・便秘が続く場合は、腸がSOSを出しているサインかもしれません。
バランスのよい食事・適切な摂取量・腸内環境ケアを意識し、健康的な体づくりを続けましょう。


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