漢方薬で腸が黒くなる?|便秘と「大黄」についての注意点|阪急塚口駅前いのうえ消化器内科・内視鏡クリニック|尼崎市の胃カメラ・大腸カメラ

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漢方薬で腸が黒くなる?|便秘と「大黄」についての注意点

漢方薬で腸が黒くなる?|便秘と「大黄」についての注意点|阪急塚口駅前いのうえ消化器内科・内視鏡クリニック|尼崎市の胃カメラ・大腸カメラ

こんにちは。尼崎市の阪急塚口駅前いのうえ消化器内科・内視鏡クリニックです。

便秘でお悩みの方の中には、漢方薬を服用している方も少なくありません。漢方薬は自然由来の薬草から作られるため「体に優しい」「副作用が少ない」といったイメージを持たれることがありますが、必ずしもそうとは限りません。

「大黄(だいおう)」とは

大黄はタデ科の植物の根茎を乾燥させた生薬で、強い瀉下作用(便を出す作用)を持ちます。便秘薬として古くから使われていますが、使用方法や期間によっては注意が必要です。

大黄と腸管メラノーシス

大黄に含まれるアントラキノン系成分(センノシドなど)は、大腸粘膜の上皮細胞を刺激して腸のぜん動運動を促進します。一方で、長期使用により粘膜上皮の細胞死(アポトーシス)が促進され、マクロファージによる色素(リポフスチン様色素)沈着が起こります。これが内視鏡検査で見られる腸管メラノーシス(腸の粘膜が黒く変色すること)です。

腸管メラノーシス自体は良性の色素沈着で直接がん化するわけではありませんが、慢性的な大黄摂取の証拠であり、長期にわたり腸を刺激し続けてきたサインでもあります。

大黄長期使用による腸管蠕動機能低下

アントラキノン系下剤は短期的には腸の動きを活発にしますが、長期連用により腸管の神経叢や筋層が機能低下を起こす可能性が報告されています。その結果、薬がないと排便できない状態(下剤依存)や、かえって便秘が悪化することがあります。

大黄を含む代表的な便秘用漢方薬

便秘に処方される漢方薬のうち、大黄を含むものには以下があります。

  • ・大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)
  • ・麻子仁丸(ましにんがん)
  • ・桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
  • ・調胃承気湯(ちょういじょうきとう)
  • ・防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
  • ・桂枝加芍薬大黄湯(けいしかしゃくやくだいおうとう)
  • ・潤腸湯(じゅんちょうとう)

これらはいずれも大黄の含有量や組み合わせる生薬が異なり、効き方や強さも変わります。

まとめ|大黄入り漢方薬は医師の指導のもとで

大黄は便秘改善に有効な一方、長期連用による腸管メラノーシスや腸管機能低下のリスクがあります。自己判断での長期服用は避け、症状や便通習慣に合わせて医師が処方を調整することが大切です。

当院では、便秘の原因や生活習慣を含めた総合的なアプローチを行い、必要に応じて大黄を含まない漢方薬や他の治療法も提案しています。便秘でお困りの方はお気軽にご相談ください。


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