尼崎市・塚口の阪急塚口駅前いのうえ消化器内科・内視鏡クリニックです。

冬になると「胃が重い」「お腹の調子が悪い」「便秘がひどくなった」といった症状を訴える方が増えます。
寒さによる体の変化は、実は消化器にも大きな影響を及ぼします。
今回は、真冬に多く見られる消化器疾患とその原因、予防のポイントをわかりやすく解説します。

◆ 冬に胃腸トラブルが増える理由

冬場に胃や腸の不調が増えるのは、気温の低下と生活リズムの変化が大きく関係しています。

• ・寒さで血管が収縮し、胃腸への血流が減少する
• ・体が冷えることで自律神経が乱れ、胃腸の動きが低下する
• ・年末年始の暴飲暴食やアルコール摂取が増える
• ・水分摂取が減り、便秘や胆石が悪化しやすくなる
• ・感染性胃腸炎のウイルスが流行しやすい

これらが重なることで、冬はさまざまな消化器疾患が起こりやすい季節となります。

◆ 真冬に多い代表的な消化器疾患

① 感染性胃腸炎（ノロウイルス・ロタウイルスなど）

冬場に最も多い消化器疾患のひとつです。
嘔吐・下痢・発熱・腹痛を伴い、数日間続くことがあります。
ノロウイルスは感染力が非常に強く、少量のウイルスでも発症するため、家庭内や施設内での集団感染が起こりやすいのが特徴です。

予防のポイント：手洗い・加熱調理・アルコールではなく次亜塩素酸による消毒が有効です。

② 胃炎・胃潰瘍の悪化

寒さやストレスにより自律神経のバランスが崩れると、胃酸の分泌が過剰になり、胃の粘膜が傷つきやすくなります。
特に年末年始の暴飲暴食・飲酒が続いたあとに、みぞおちの痛みや背中への放散痛を感じる場合は要注意です。

検査：胃カメラ検査で潰瘍や炎症の有無を確認できます。

③ 急性胆のう炎・胆石発作

冬場は体が冷えることで胆のうの収縮が悪くなり、胆汁が滞留しやすくなります。
これにより胆石が詰まり、右上腹部や背中に強い痛みを生じることがあります。
脂っこい食事や過度な飲酒も誘因となります。

検査：腹部エコー・CTで胆のうや胆管の状態を確認します。

④ 急性・慢性膵炎

冬の飲酒量増加に伴って膵炎の発症や再燃が増加します。
みぞおちから背中に抜けるような痛みが特徴で、放置すると命に関わる場合もあります。

検査：血液検査で膵酵素（アミラーゼ・リパーゼ）を確認し、CTで炎症の範囲を評価します。

⑤ 便秘・痔の悪化

冬は水分摂取が減り、運動量も低下するため、便が硬くなりやすくなります。
その結果、便秘や痔（とくに血栓性外痔核）が悪化することがあります。
入浴で体を温め、適度な運動と食物繊維・水分補給を意識しましょう。

⑥ 胃腸の血流障害（虚血性腸炎など）

寒さで血管が収縮し、腸への血流が一時的に減少すると虚血性腸炎を起こすことがあります。
食後の腹痛や血便が見られた場合は、早めに医療機関を受診してください。

◆ 冬に消化器疾患を防ぐためのポイント

• ・規則正しい生活と十分な睡眠を心がける
• ・冷たい飲み物を控え、体を内側から温める
• ・暴飲暴食・深酒を避ける
• ・外出後の手洗い・うがいを徹底する
• ・適度な運動で腸の動きを促す

◆ 当院で行える検査・治療

当院では、冬に多い胃腸トラブルに対して以下の検査・治療を行っています。

• ・胃カメラ検査（鎮静下での苦痛の少ない検査）
• ・腹部エコー・CT検査（胆石・膵炎などの評価）
• ・血液検査による炎症・肝胆膵酵素のチェック
• ・必要に応じて整腸剤・漢方薬（大建中湯など）を処方

◆ まとめ｜冬の胃腸トラブルは早めの受診を

真冬は、寒さや生活習慣の変化によって消化器に負担がかかりやすい季節です。
胃痛・下痢・嘔吐・背中の痛みなど、気になる症状が続く場合は、我慢せずにご相談ください。
阪急塚口駅前いのうえ消化器内科・内視鏡クリニックでは、最新の内視鏡・CT・エコー検査を用いて、原因を正確に診断し、安心して治療を受けていただける体制を整えています。

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