
こんにちは。尼崎市塚口の阪急塚口駅前いのうえ消化器内科・内視鏡クリニックです。当院では、胃カメラ検査や大腸カメラ検査、CT検査を中心に、消化器内科・内科・肛門外科の診療を幅広く行っています。
今回は、胃酸抑制薬の種類による違いについて、ピロリ菌検査への影響を中心に解説します。
胃の不調を訴える患者さんに処方される薬のひとつに「胃酸分泌抑制薬」があります。代表的な薬にH2ブロッカーのガスター(ファモチジン)がありますが、他にもPPI(プロトンポンプ阻害薬)やPCAB(カリウムイオン競合型アシッドブロッカー)といった薬剤も存在します。
ガスター(ファモチジン)とは?
ガスターはH2受容体拮抗薬に分類される薬で、胃酸の分泌を抑える効果があります。作用は比較的穏やかで、副作用が少なく、即効性があることが特徴です。服用から1時間以内に効果が現れ、多くの場合、数時間持続します。
PPI・PCABとは?
- PPI(プロトンポンプ阻害薬)
例:タケプロン(ランソプラゾール)、オメプラール(オメプラゾール)、ネキシウム(エソメプラゾール)など。 - PCAB(カリウムイオン競合型アシッドブロッカー)
例:タケキャブ(ボノプラザン)
PPI、PCABはガスター(ファモチジン)と比較すると即効性は高くありませんが、胃酸を抑制する作用は強いとされています。
ピロリ菌検査への影響
実はPPIやPCABはピロリ菌検査の結果に影響を与える可能性があります。これらの薬を服用していると、ピロリ菌が胃粘膜に潜伏して検出されにくくなり、偽陰性(本当は感染しているのに陰性と出てしまう)になることがあります。
したがって、胃カメラなどでピロリ菌感染の有無を調べる予定がある場合には、検査前にPPIやPCABの使用を控えるか、ガスター(ファモチジン)など検査に影響しにくい薬剤を選択することが望ましいです。
胃の不調が続く場合は内視鏡検査を
「なんとなく胃の調子が悪い」「胸やけが続く」といった症状がある場合、胃がんなどの重篤な病気が潜んでいる可能性もあります。薬で症状を抑えるだけではなく、胃カメラによる精密検査が重要です。
当院では、経験豊富な内視鏡専門医による鎮静剤を使用した苦痛の少ない胃カメラ検査を提供しています。ピロリ菌の検査や慢性胃炎・胃がんの早期発見をご希望の方は、ぜひご相談ください。