
尼崎市の阪急塚口駅前いのうえ消化器内科・内視鏡クリニックです。
当院は、胃カメラ・大腸カメラ検査を専門とする消化器内科クリニックです。
本日は、近年増加が指摘されている若年性大腸がんについて最新の研究結果をもとに解説し、大腸内視鏡検査による早期発見の重要性をご紹介いたします。
本記事は以下の研究論文に基づいて執筆しました。
A Score to Predict Advanced Colorectal Neoplasia in Adults Younger than Age 45(PubMed)
■40代以下でも増加中。若年性大腸がん
かつて大腸がんは中高年の病気とされていましたが、近年では40代前半以下の若年層でも増えてきています。「若いから大丈夫」と思って検査を受けず、見つかったときには進行していた…というケースもあります。
今回、若年の方の大腸がんのリスクに関する研究論文をご紹介します。
■リスクを可視化する「簡単スコア」が発表されました
アメリカのクリーブランドクリニックの研究により、45歳未満の方の大腸ポリープリスクを予測するスコアが発表されました。これは、大腸がんの前段階である「進行性大腸新生物」を発見するための指標で、3つの要素で構成されています。
■あなたはいくつ当てはまりますか?3つのチェック項目
- 家族歴:60歳未満の親や兄弟姉妹に大腸がん経験者がいる
- 喫煙歴:現在または過去に喫煙していた
- BMI:25以上(過体重・肥満)
これらの項目を組み合わせてスコア化し、将来的な大腸がんリスクを評価します。
■スコアとリスクの目安
スコア | 進行性病変の発見率 |
---|---|
1点 | 約1.8%(平均的リスク) |
9点以上 | 14%以上(要注意) |
12点 | 22.2%(5人に1人以上) |
■研究の限界についても知っておきましょう
- この研究はアメリカの単一施設で行われたため、日本を含む他国にそのまま当てはまらない可能性があります。
- 食生活や運動習慣などの要因は含まれておらず、リスクの全体像を把握するには今後の研究が必要です。
- 過去データに基づく研究(後ろ向き研究)であり、今後は外部での検証が望まれます。
■当院では以下のような方に大腸内視鏡検査をおすすめしています
- 家族に大腸がんの方がいる
- 喫煙歴がある
- BMIが高め
- 30代後半~40代前半で不安がある
当院では鎮静剤を使用した苦痛の少ない大腸内視鏡検査を行っており、早期発見・早期治療につなげることが可能です。ご自身やご家族の健康が気になる方は、ぜひご相談ください。
■まとめ
若年層でも大腸がんリスクが高まっている今、「若いから大丈夫」ではなく「若いうちから守る」という考え方が大切です。
当院では、大腸内視鏡検査によるがんの早期発見と予防を大切にしています。ご自身やご家族の健康を守るために、ぜひ一度ご相談ください。