
尼崎市の阪急塚口駅前いのうえ消化器内科・内視鏡クリニックです。
「つい食べすぎてしまう」「気づいたら満腹を超えていた」という経験は誰にでもあると思います。実は食欲のメカニズムは脳と消化管が密接に関わっており、食習慣によっても大きく影響を受けます。今回は消化器内科専門医の立場から、食欲の仕組みと腹八分目を実現しやすくする食習慣について解説し、秋の具体的な献立例もご紹介します。
◆ 食欲のメカニズム
食欲は単なる「お腹がすいた感覚」ではなく、脳の視床下部を中心にホルモンや神経の働きで調整されています。
- ・グレリン:胃から分泌される「食欲促進ホルモン」。空腹になると増加し、脳に「食べたい」と信号を送ります。
- ・レプチン:脂肪細胞から分泌される「満腹ホルモン」。食事によって脂肪が蓄積すると分泌が増え、食欲を抑えます。
- ・インスリン:血糖値を下げるホルモンですが、脳に作用して食欲を調整する役割もあります。
- ・セロトニン:腸内でも多く作られる神経伝達物質で、気分や食欲の安定に関与します。
つまり、食欲は胃腸からの信号と脳の制御が組み合わさって働いており、食べ方や食べ物の内容によって容易に乱れるのです。
◆ 食欲を乱す要因
近年問題視されているのが、ジャンクフードや加工食品の過剰摂取です。
- ・化学調味料:強い旨味が脳を刺激し、満腹感を得にくくなる
- ・質の悪い脂質(トランス脂肪酸など):ホルモンバランスを乱し、食欲抑制が働きにくくなる
- ・糖分の多い飲料:急激に血糖値を上げ下げし、空腹感を助長する
これらを習慣的に摂取すると「お腹がいっぱいなのに食べたくなる」という不自然な食欲が生じやすくなります。
◆ 腹八分目を実現するための工夫
腹八分目を実現するには、「食べ方」と「食べ物選び」の工夫が欠かせません。
食べ方の工夫
- ・ゆっくり噛んで食べる(満腹中枢が働くまで20分程度かかる)
- ・食事の最初に野菜や汁物を摂る(血糖値の急上昇を防ぐ)
- ・小皿に分けて盛る(「視覚的な満足感」で食べ過ぎを防止)
食べ物選びの工夫
- ・一汁一菜を基本にする:味噌汁+主食+野菜のおかずだけでも栄養バランスは整います
- ・旬のフルーツを取り入れる:自然な甘さと食物繊維で満腹感が持続しやすい
- ・精製度の低い炭水化物(玄米・雑穀など)を選ぶ:血糖値の乱高下を防ぎ、食欲の安定につながる
◆ 秋のおすすめ献立例
秋は食材が豊富で、旬のものを取り入れることで自然に腹八分目を意識しやすくなります。
- ・主食:雑穀ごはん
- ・汁物:きのこたっぷりの味噌汁(しめじ、舞茸、えのきなど)
- ・主菜:秋鮭の塩焼き、またはサンマの塩焼き
- ・副菜:ほうれん草とごまの和え物、またはレンコンのきんぴら
- ・果物:柿や梨を少量デザートに
このようなシンプルな一汁一菜をベースに旬の食材を取り入れることで、自然とバランスが整い、腹八分目で満足できる食事になります。
◆ 胃腸と食欲の関係
食欲の乱れが続く場合、単なる食習慣だけではなく、消化器の病気が隠れていることもあります。例えば、胃炎や胃潰瘍、逆流性食道炎では食欲不振や胃もたれが生じますし、糖尿病や甲状腺疾患など全身性の病気が関与することもあります。
長引く胃腸症状や体重減少を伴う場合には、胃カメラや大腸カメラ、CTやエコー検査を通じて原因を確認することが重要です。
◆ まとめ
食欲は脳と胃腸、そして日々の食習慣が大きく関わる精密な仕組みです。ジャンクフードや加工食品は食欲を乱しやすく、腹八分目を守ることを難しくします。一方で、一汁一菜を基本に旬の食材や果物を取り入れることで、必要な栄養素を摂取しながら自然に食べ過ぎを防ぐことができます。
「腹八分目」を意識した食生活は、肥満や生活習慣病の予防だけでなく、胃腸の健康を守ることにもつながります。食欲や食べ過ぎが気になる方は、どうぞお気軽に当院へご相談ください。
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