
目次
尼崎市の阪急塚口駅前いのうえ消化器内科・内視鏡クリニックです。
◆はじめに
魚を食べていて骨がのど(咽頭)や食道にひっかかることは珍しくありません。多くは自然に取れますが、鋭く硬い骨では粘膜に深く刺さったり、まれに食道壁を貫いて周囲の血管へ穿通する事例も報告されています。安全第一で対処するため、当院では段階的な評価と治療を行っています。
◆ 当院の基本方針(流れの全体像)
- ・まず魚の種類と状況を聴取(骨の性状を推定)
- ・続いてCT撮影で位置・深さ・周囲臓器との関係を把握
- ・CTで安全に除去可能と判断 → 内視鏡(胃カメラ)で除去を試みる
- ・大動脈など大血管に穿通の疑いがある場合 → 緊急入院・緊急手術対応が可能な施設へ速やかに紹介
- ・処置後は症状に応じて内服・食事指導・再診フォロー
◆ 1. 問診(魚の種類と状況の確認)
どの魚を、どのように食べていたかを丁寧に伺います。
特にタイ・ブリ・カレイなどの大型魚の骨は太く鋭利で、自然に取れにくい傾向があります。
嚥下時の痛みの部位、飲食で症状が変化するか、発熱の有無なども評価します。
◆ 2. 画像評価:CTで位置とリスクを把握
魚骨は単純X線では見えにくいことがあるため、当院ではCT撮影で正確な位置・向き・深さを評価します。
稀ではありますが、骨が食道を貫通し大動脈に穿通しているケースも報告されています。こうした状況で盲目的に除去すると、致命的な出血を引き起こす可能性があります。したがって事前のCT確認は必須です。
参考文献
症例:魚骨誤飲により大動脈穿孔を来した食道ろう孔の1例(J-STAGE)
→
https://www.jstage.jst.go.jp/article/shinzo1969/16/11/16_1207/_article/-char/ja/
◆ 3. 対応方針の決定
- ・粘膜内に留まる骨:内視鏡での安全な除去を検討
- ・大血管穿通が疑われる骨:当院での除去は行わず、緊急入院・手術対応が可能な高次医療機関へ紹介
- ・自然脱落が見込める小骨:症状・所見に応じて経過観察と支持療法を行い、必要に応じ再評価
◆ 4. 内視鏡(胃カメラ)による除去
安全に除去可能と判断した場合、胃カメラを用いて専用鉗子で骨を把持し、粘膜損傷を最小限に留めながら摘出します。
鎮静の併用により不快感を軽減し、処置中の嘔吐・誤嚥リスクにも配慮した体位・吸引管理で実施します。
◆ 5. 処置後の管理と再診の目安
- ・数日はやわらかい食事(おかゆ・うどん・スープ)を推奨
- ・違和感・軽い痛みは数日で軽快することが多い
- ・発熱・増悪する胸痛/頸部痛・嚥下時の強い痛み・出血があれば早期再診
- ・炎症所見に応じて鎮痛薬や抗菌薬を検討
◆ すぐ受診を検討してほしいサイン
- ・飲み込むたびに鋭い刺すような痛みが続く
- ・よだれが増える、飲み込みにくい(嚥下困難)
- ・発熱、首や胸の腫れ・痛みが出てきた
- ・血の混じった唾液・吐血がある
◆ まとめ
魚骨は小さくても鋭利で、部位や向きによっては重大な合併症を起こし得ます。
当院では、魚種の聴取 → CTで位置・リスク評価 → 内視鏡除去 or 高次医療機関へ紹介という手順で、安全性を最優先に対応します。気になる症状が続く場合は、早めの受診をご検討ください。
◆ 関連ページ
当院の胃カメラ(上部消化管内視鏡)についてはこちら。
→ ページはこちら
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