尼崎市・塚口の阪急塚口駅前いのうえ消化器内科・内視鏡クリニックです。

「鏡を見たら目が黄色い」「家族に肌の色が変わったと言われた」――こうした症状で来院される方がいます。
このように皮膚や白目が黄色くなる状態を「黄疸（おうだん）」といいます。
黄疸は、肝臓や胆のう、膵臓など消化器の病気で起こることが多いですが、実は血液疾患や代謝異常など消化器以外が原因のこともあります。
ここでは、黄疸の仕組みと原因、受けるべき検査についてわかりやすく説明します。

● 黄疸とは？

黄疸は、血液中のビリルビンという黄色い色素が増えることで起こります。
ビリルビンは赤血球が壊れた際に作られ、肝臓で処理されて胆汁として排泄されます。
この流れのどこかに異常が起きると、血液中にビリルビンが溜まり、皮膚や白目が黄色く見えるようになります。

● 黄疸の原因は3つのタイプに分類されます

黄疸は、原因となる部位によって大きく次の3つに分類されます。

• ① 肝前性（溶血性）黄疸：赤血球が過剰に壊れることでビリルビンが増加。
• ② 肝性黄疸：肝臓の機能が低下し、ビリルビンの処理が追いつかなくなる。
• ③ 肝後性（閉塞性）黄疸：胆汁の通り道（胆管）が詰まり、ビリルビンが血液中に逆流。

以下では、消化器疾患を中心に、それぞれの原因について詳しく見ていきます。

● 消化器疾患による黄疸

■ 肝臓の病気（肝性黄疸）

肝臓はビリルビンを処理して胆汁に変える役割を担っています。
肝臓の炎症や障害が起こると処理能力が低下し、血液中にビリルビンが増えて黄疸が生じます。

• ・急性肝炎（ウイルス性・薬剤性など）
• ・慢性肝炎・肝硬変
• ・脂肪肝炎（NASH）
• ・自己免疫性肝炎
• ・肝細胞がん

肝炎の初期には倦怠感や食欲不振を伴い、進行すると尿が濃い色（コーラ色）になり、皮膚や目の黄ばみが目立ちます。

■ 胆のう・胆管の病気（閉塞性黄疸）

胆汁の通り道が詰まると、ビリルビンが体に逆流して黄疸が出ます。

• ・胆石症（胆管結石）
• ・胆のう炎・胆管炎
• ・膵がん・胆管がん
• ・十二指腸乳頭部がん

特に膵臓や胆管の腫瘍では、痛みが少なく黄疸が初発症状となることがあります。
「かゆみ」「白っぽい便」「尿が濃い」なども伴う場合は、閉塞性黄疸が疑われます。

■ 膵臓の病気

膵臓は胆管のすぐ隣にあるため、腫瘍や炎症が胆管を圧迫して黄疸を引き起こすことがあります。

• ・膵頭部がん
• ・慢性膵炎
• ・膵のう胞

膵臓の病変は症状が出にくいため、黄疸が出たときにはすでに進行している場合もあります。
早期発見のためには、腹部エコーやCT検査が重要です。

● 消化器以外の原因

黄疸は消化器以外の病気でも起こることがあります。

• ・溶血性貧血（赤血球が壊れやすくなる疾患）
• ・新生児黄疸（生理的な代謝未熟によるもの）
• ・甲状腺機能低下症（代謝異常によるビリルビン処理の低下）
• ・薬剤性黄疸（抗生剤や鎮痛薬などによる肝障害）

血液の病気では、肝臓が正常でも黄疸が出るため、血液検査での精査が欠かせません。

● 当院で行える検査

黄疸の原因を特定するためには、以下のような検査を組み合わせます。

• ・血液検査：ビリルビン値、肝機能（AST・ALT・γ-GTPなど）、胆道・膵酵素を測定
• ・腹部エコー・CT検査：肝臓・胆のう・胆管・膵臓の状態を確認
• ・胃カメラ検査：胃や十二指腸の炎症や腫瘍の確認
• ・大腸カメラ検査：大腸がんや転移の有無を確認

当院では、鎮静剤を用いた眠ったままの胃カメラ・大腸カメラにも対応しており、苦痛の少ない検査が可能です。
また、京都大学医学部附属病院・大阪国際がんセンターで20,000件以上の内視鏡を担当した経験を持つ院長が、専門的な視点で診療を行います。

● 受診の目安

次のような症状がある場合は、できるだけ早めの受診をおすすめします。

• ・皮膚や白目が黄色い
• ・尿の色が濃くなった、便が白っぽい
• ・体がかゆい
• ・発熱や右上腹部の痛みがある
• ・体重減少、食欲低下がある

● まとめ｜黄疸は体からの大切なサインです

黄疸は、肝臓・胆のう・膵臓などの消化器疾患のサインであることが多く、早期発見・早期治療が大切です。
一方で、血液や代謝異常など消化器以外の病気が隠れていることもあります。
皮膚や目の黄ばみに気づいたら、自己判断せず早めに医療機関を受診しましょう。
阪急塚口駅前いのうえ消化器内科・内視鏡クリニックでは、各種検査を組み合わせて原因を丁寧に診断し、適切な治療につなげます。

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