
目次
尼崎市の阪急塚口駅前いのうえ消化器内科・内視鏡クリニックです。
はじめに
頭痛・発熱・生理痛・歯痛など、日常で「痛み止め」を使用する機会は少なくありません。
その代表がロキソニン(ロキソプロフェン)とカロナール(アセトアミノフェン)です。
どちらも一般的に使用される薬ですが、作用の仕組み、副作用、消化器への影響、妊娠中・授乳中の患者さんへの安全性に違いがあります。
今回は、消化器内科の視点を交えながら両薬剤の特徴をわかりやすく解説します。
◆ ロキソニンの特徴と注意点
ロキソニンはNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)のひとつで、炎症・痛み・発熱に関与するプロスタグランジンの産生を抑えることで効果を発揮します。
鎮痛作用や抗炎症作用が比較的強いため、頭痛、腰痛、関節痛、術後の痛みにも広く用いられます。
消化器内科での注意点
NSAIDs全般の特徴として胃や十二指腸の粘膜を荒らすリスクがあります。
特に長期連用や高齢者では胃潰瘍・消化管出血の原因になることもあり、潰瘍の既往がある方には慎重投与が必要です。
必要に応じてPPI(プロトンポンプ阻害薬)や胃粘膜保護薬を併用して胃を守ることがあります。
また、腎臓にも負担をかけるため、慢性腎臓病のある方では使用に注意が必要です。
◆ カロナールの特徴と注意点
カロナールはアセトアミノフェンを有効成分とし、解熱・鎮痛作用を示します。
ロキソニンのような強い抗炎症作用はありませんが、胃や腸への副作用が少ないのが最大の特徴です。
そのため、胃潰瘍や逆流性食道炎など消化器疾患をお持ちの患者さんにとって比較的安全に使用できる薬といえます。
消化器内科での注意点
カロナールは肝臓で代謝されるため、肝機能障害がある患者さんでは慎重に使用する必要があります。
特に多量飲酒習慣がある方や慢性肝炎・肝硬変の患者さんでは、肝障害を悪化させるリスクがあるため、使用量を制限したり別の薬剤を検討します。
◆ 妊娠中・授乳中の患者さんへの影響
- ロキソニン: 妊娠後期(特に34週以降)では胎児の動脈管収縮や腎機能障害を引き起こすリスクがあり、禁忌とされています。妊娠初期や中期でも原則として避けるべき薬です。また授乳中の患者さんに関しても、母乳への移行や乳児への影響の懸念があり、基本的には控えることが望まれます。
- カロナール: 妊娠中における解熱鎮痛薬の第一選択とされ、比較的安全に使用できます。授乳中の患者さんでも、少量であれば使用可能とされており、母乳への移行もわずかです。ただし、長期間の大量使用は避け、必要最小限に留めることが重要です。
◆ ロキソニンとカロナールの違い(一覧表)
項目 | ロキソニン | カロナール |
---|---|---|
分類 | NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬) | アセトアミノフェン |
作用 | 鎮痛・解熱・抗炎症作用が強い | 鎮痛・解熱(抗炎症作用は弱い) |
消化器への影響 | 胃潰瘍・出血のリスクあり | 胃に優しい、副作用少なめ |
注意すべき臓器 | 胃・腎臓 | 肝臓 |
妊娠中の使用 | 特に妊娠後期は禁忌 | 比較的安全、第一選択 |
授乳中の使用 | 基本的には控えるべき | 少量であれば使用可 |
◆ まとめ
ロキソニンとカロナールは同じ鎮痛薬ですが、消化器への影響や妊娠・授乳期での安全性に大きな違いがあります。
・胃潰瘍や逆流性食道炎がある方にはカロナールがより安全
・強い炎症や痛みを抑えたい場合にはロキソニンが有効
・妊娠中・授乳中の患者さんにはカロナールが推奨されることが多い
といった点を知っておくと安心です。
ただし、自己判断で使用せず、必ず医師に相談して適切に使うことが大切です。
当院では、患者さん一人ひとりの体調や生活背景に応じて、最適な薬の選択をご提案しています。
◆ 関連ページ
当院の胃カメラ検査についてはこちら。
→ ページはこちら
当院の大腸カメラ検査についてはこちら。
→ ページはこちら
当院は、尼崎市・阪急塚口駅北口から徒歩1分の立地にあり、通勤やお買い物ついでにも立ち寄りやすい環境です。
また、伊丹市・西宮市・豊中市・大阪市(淀川区、西淀川区)などの隣接エリアや、
阪急西宮北口駅・武庫之荘駅・園田駅・神崎川駅・十三駅・稲野駅・新伊丹駅・伊丹駅といった周辺の駅からのアクセスも良好です。
JR猪名寺駅、塚口駅、尼崎駅や立花駅からはバスでのご来院も便利です。
遠方からお越しの方にもスムーズにご来院いただけるよう、アクセス情報は公式サイトにも詳しく掲載しています。
胃カメラ・大腸カメラなどの検査をご希望の方も、どうぞお気軽にご相談ください。
🏠 当院の公式ホームページはこちら
→ https://tsukaguchi-cl.com/
📍 アクセスページはこちら
→ https://tsukaguchi-cl.com/access/
👨⚕️ 院長プロフィールはこちら
→ https://tsukaguchi-cl.com/clinic/#link04