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尼崎市・塚口の阪急塚口駅前いのうえ消化器内科・内視鏡クリニックです。
近年、健康や美容の分野でも耳にするようになった「リーキーガット症候群(Leaky Gut Syndrome)」。日本語では「腸管漏出症候群」とも呼ばれます。
まだ正式な病名として国際的に認められているわけではありませんが、腸の健康と全身の不調の関係を理解するうえで重要な考え方です。
◆ リーキーガット症候群とは?疾患概念
腸は「食べ物を消化吸収する」だけでなく、体に不要な物質や病原体を体内に入れないバリア機能を持っています。
しかし、この腸の粘膜バリアが弱まり、通常であれば通過しない未消化の食べ物の断片や毒素、細菌などが腸壁を通り抜けて血流に入り込む状態が「リーキーガット(腸漏れ)」と呼ばれます。
これにより、体の免疫反応が過剰に働き、さまざまな不調を引き起こすと考えられています。
◆ 主な症状
リーキーガットは腸だけの問題ではなく、全身の症状として現れることがあります。
- ■ 慢性的な下痢・便秘・お腹の張り
- ■ 食物不耐症や食物アレルギーの悪化
- ■ 疲労感や集中力の低下(ブレインフォグ)
- ■ 皮膚トラブル(湿疹・ニキビ・アトピー)
- ■ 自己免疫疾患の悪化
こうした症状は一見バラバラに見えますが、共通して「腸のバリア機能が弱っている可能性」が背景にあるとされています。
◆ 発症機序(なぜ腸が漏れるのか?)
腸の粘膜は「タイトジャンクション」と呼ばれる結合で細胞同士が密につながり、異物の侵入を防いでいます。
しかし以下の要因により、この結合が緩んでしまうことが報告されています。
- ■ 食生活の乱れ(高脂肪食・高糖質・過剰なアルコール摂取)
- ■ 抗生物質やNSAIDs(鎮痛薬)などの薬剤
- ■ ストレスや睡眠不足
- ■ 腸内細菌叢の乱れ(ディスバイオシス)
- ■ 慢性的な腸炎や感染
これらの要因が重なると腸の粘膜が傷つき、隙間ができて「腸漏れ」が起こると考えられています。
◆ どんなときに疑うべきか?
以下のようなケースでは、リーキーガット症候群の存在を疑うことがあります。
- ■ 長引く胃腸症状(便秘・下痢・腹部膨満感)
- ■ 鉄剤やサプリを続けても改善しない貧血や倦怠感
- ■ 特定の食べ物を食べると不調が強く出る
- ■ 複数のアレルギーや自己免疫疾患を抱えている
- ■ 健康診断で異常がなくても慢性的な不調が続く
もちろん、正式な病名ではないため「リーキーガットです」と診断がつくわけではありません。しかし、これらの背景を考慮して腸内環境を整えることが、症状の改善につながる場合があります。
◆ 対策と改善のポイント
リーキーガットに対する基本的なアプローチは「腸を守り、腸を休める」ことです。
- ■ バランスの取れた食事(野菜・発酵食品・食物繊維を積極的に)
- ■ アルコールや加工食品を控える
- ■ 睡眠と休養をしっかり取る
- ■ 適度な運動で腸の血流を良くする
- ■ 必要に応じてプロバイオティクス(善玉菌)や整腸剤を活用する
また、長引く胃腸症状がある場合には、まず胃カメラ・大腸カメラによる精密検査で重篤な病気がないかを確認することが重要です。そのうえで、腸内環境改善や生活習慣の見直しを行っていくことが推奨されます。
◆ リーキーガットと思っていたら重大疾患が潜んでいることも
自己判断で「リーキーガットかな」と考えて放置してしまうと、実は潰瘍性大腸炎や大腸がんといった重大な疾患が隠れている場合もあります。
症状が長引く、血便がある、体重減少を伴う、といった場合には早めに医療機関を受診し、必要に応じて大腸カメラ検査を受けることが大切です。
まとめ|腸をいたわることが全身の健康につながる
リーキーガット症候群は、まだ研究途上の概念ですが、腸の健康が全身の健康と深く結びついていることを教えてくれる考え方です。
「原因不明の体調不良」「鉄剤を飲んでも改善しない貧血」「繰り返す胃腸症状」がある場合は、腸のバリア機能の低下を疑い、医療機関での相談をおすすめします。
当院では内視鏡検査や腸内環境の視点から、患者さん一人ひとりにあった診療を提供いたします。
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また、伊丹市・西宮市・豊中市・大阪市(淀川区、西淀川区)などの隣接エリアや、
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