糖尿病薬(GLP-1受容体作動薬、SGLT-2阻害薬)とGERD(逆流性食道炎)のリスク|阪急塚口駅前いのうえ消化器内科・内視鏡クリニック|尼崎市の胃カメラ・大腸カメラ

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糖尿病薬(GLP-1受容体作動薬、SGLT-2阻害薬)とGERD(逆流性食道炎)のリスク

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尼崎市の阪急塚口駅前いのうえ消化器内科・内視鏡クリニックです。

近年、2型糖尿病や体重管理で使用が広がるGLP-1受容体作動薬(例:セマグルチド〈オゼンピック®/リベルサス®/ウゴービ®〉、リラグルチド〈ビクトーザ®/サクセンダ®〉、デュラグルチド〈トルリシティ®〉、エキセナチド〈バイエッタ®/ビデュリオン®〉、リキシセナチド〈リキシミア®〉)は、血糖・体重・心腎イベントに有益性がある一方、胃排出遅延という薬理作用に伴う消化器症状が問題となることがあります。2025年7月発表の大規模コホート研究は、GLP-1受容体作動薬とGERDリスク上昇との関連を示しました。

出典:Annals of Internal Medicine(2025年7月15日オンライン)。
原著論文:GLP-1受容体作動薬とGERDリスクの比較コホート研究

この研究はどんな内容だったのか?

今回の大規模研究では、糖尿病治療薬を新しく使い始めた患者さんを対象に、「どんな薬を使うと胃食道逆流症(GERD)が起こりやすいのか」を比較しました。研究の要点を整理すると、次のようになります。

  • 対象(誰を調べた?):18歳以上の2型糖尿病の患者さん。胃食道逆流症やその治療薬をすでに使っていた人は除外されました。最終的にGLP-1群は約2万5千人、SGLT-2群は約9万人が対象となりました。
  • 使った薬(何を比べた?): GLP-1受容体作動薬(セマグルチド〈オゼンピック®/リベルサス®/ウゴービ®〉、リラグルチド〈ビクトーザ®〉、など) SGLT-2阻害薬(エンパグリフロジン〈ジャディアンス®〉、ダパグリフロジン〈フォシーガ®〉など)
  • 調べたこと(何が起きた?):新たに胃食道逆流症(GERD)が発症する頻度や、その合併症(食道炎・狭窄・バレット食道など)の発症率。
  • 結果(どうなった?):GLP-1受容体作動薬を使った人は、SGLT-2阻害薬を使った人に比べてGERDの発症がやや多いことが分かりました。また、合併症の発生率もやや高い傾向がありました。

つまり、「GLP-1受容体作動薬(例:オゼンピック®・など)」は体重減少や血糖コントロールに有効である一方、胃酸逆流のリスクがやや上がる可能性があるということです。最近はダイエット目的での使用も広がっていますが、本来は糖尿病治療薬であり、主治医からしっかり説明を受け、メリットとデメリットを理解したうえで使用を検討することが望ましいといえます。

なぜGERDが増えるの?——機序をやさしく

  • ・GLP-1受容体作動薬は胃排出を遅延させ、食後に胃内容が長く残る → 胃内圧が上昇
  • ・胃と食道の境目(下部食道括約筋)への負担が増し、胃酸や内容物が食道に逆流しやすくなる。
  • ・逆流の頻度・持続時間が延びると、食道粘膜の炎症・障害が進行し、合併症(バレット食道等)リスクが上がる。

マンジャロ®(チルゼパチド)についての補足

チルゼパチド(マンジャロ®)GIP/GLP-1受容体作動薬(デュアルアゴニスト)で、GLP-1単独作動薬とは厳密には別グループです。今回の研究期間(〜2021年)・設計からは対象外と考えられますが、胃排出遅延を介した消化器症状(胸やけ・胃もたれ・悪心など)には同様の注意が必要と考えられます。

ダイエット目的での使用についての注意点

近年は体重管理(ダイエット)目的でGLP-1作動薬やチルゼパチドが注目されています。確かに体重・代謝面のメリットは期待できますが、消化器症状・GERDの悪化を含むデメリットや、既往症・併用薬との関係で禁忌・注意事項も存在します。
自己判断での開始・継続は避け、必ず主治医から十分な説明を受け、利点と不利益を理解した上で慎重に検討してください。

こんな症状が続くなら早めに胃カメラを

  • ・胸やけ・呑酸(すっぱい液が上がる感覚)、食後の胃もたれが続く
  • ・慢性的な咳・のどの違和感、声がれ(逆流関連症状)
  • ・体重減少、嚥下時のつかえ感、貧血など警戒サインがある

GERDは放置することでバレット食道→食道がんにつながることもあります。内視鏡(胃カメラ)での評価をおすすめします。
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胃カメラ検査のご案内|阪急塚口駅前いのうえ消化器内科・内視鏡クリニック

当院の強み

  • 苦痛の少ない鎮静下内視鏡:眠っている間に検査可能
  • 高精細内視鏡で微小病変も丁寧に観察(必要時は生検)
  • 豊富な実績:院長は2万件以上の内視鏡経験
  • ・腹部CT・大腸カメラ・エコーなど総合的な診断体制

糖尿病薬の副作用と思われる逆流性食道炎の症状にもしっかりと対応させていただきます。気になる症状がおありの方は、いつでもご気軽にご相談ください。


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