便潜血が1回だけ陽性でも大腸カメラは必要?論文データで解説|阪急塚口駅前いのうえ消化器内科・内視鏡クリニック|尼崎市の胃カメラ・大腸カメラ

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便潜血が1回だけ陽性でも大腸カメラは必要?論文データで解説

便潜血が1回だけ陽性でも大腸カメラは必要?論文データで解説|阪急塚口駅前いのうえ消化器内科・内視鏡クリニック|尼崎市の胃カメラ・大腸カメラ

尼崎市の阪急塚口駅前いのうえ消化器内科・内視鏡クリニックです。

健康診断や大腸がん検診で「便潜血が2回中1回だけ陽性でした」と言われたとき、多くの方が最初に迷われるのは、「1回だけなら大丈夫なのでは?」という点だと思います。

2回のうち1回は陰性だった。症状もない。痔がある。もう一度便検査をしたら陰性になるかもしれない。外来でも、こうしたご相談はよくあります。

この迷いは自然なものです。ただ、内視鏡医の立場から見ると、便潜血が「1回だけ陽性」という結果は、軽く扱いすぎない方がよい結果でもあります。大腸の病変は毎日同じように出血するわけではなく、血液が便に混じった日だけ陽性になることがあるためです。

当院院長は、これまで内視鏡検査に20,000件以上携わり、京都大学医学博士としての研究経験に加え、京都大学病院、大阪国際がんセンターなどで消化器診療・がん診療を経験してきました。その経験からお伝えしたいのは、「2回陽性の方がリスクは高いが、1回陽性でも大腸の確認を考える意味はある」ということです。

「1回だけ陽性」と「2回とも陽性」では、見つかる確率は違います

便潜血検査で2回とも陽性だった方は、1回だけ陽性だった方よりも、大腸がんや高リスクポリープが見つかる可能性が高くなります。この点は、患者さんにも比較的理解しやすいところだと思います。

実際に、カナダの大腸がん検診プログラムの研究で、2回法の便潜血検査と大腸内視鏡検査の結果を比較した報告があります。この研究では、便潜血陽性となった1,576人を解析し、1回陽性と2回陽性で、内視鏡で見つかった病変の割合を比べています。

内視鏡で見つかった病変 1回だけ陽性 2回とも陽性
大腸がん 1% 8%
高リスクポリープ 20% 40%
何らかの腫瘍性病変 48% 67%

このデータを見ると、2回とも陽性の方がリスクは高いと考えられます。一方で、1回だけ陽性でも、大腸がんが1%、高リスクポリープが20%、何らかの腫瘍性病変が48%に見つかっています。

なお、これは海外の検診プログラムのデータです。検査キット、陽性判定の基準、対象年齢、地域によって数値は変わります。そのため、目の前の患者さん一人ひとりの確率をそのまま示すものではありません。ただ、「1回だけ陽性でも、精密検査で意味のある病変が見つかることがある」という考え方の根拠になります。

ここで大切なのは、「1回陽性なら確率が低いから安心」と読むのではなく、「2回陽性ほどではないが、1回陽性でも内視鏡で確認する意味がある」と読むことだと考えています。

1回だけ陽性でも、進行性腫瘍が見つかることがあります

別のオランダの大規模研究では、2種類のFIT検査を同じ便で行い、両方陽性だった人と、片方だけ陽性だった人を比較しています。

この研究では、両方陽性だった人では進行性腫瘍が43%に見つかりました。一方で、片方だけ陽性だった人でも21%に進行性腫瘍が見つかっています。また、内視鏡で進行性腫瘍が見つかった687人のうち、187人、つまり約27%は「片方だけ陽性」でした。

この数字は、外来で説明するときにも大事だと感じています。1回だけ陽性という結果は、2回とも陽性に比べればリスクは低いかもしれません。ただし、「病変がない」と言える結果ではありません。

なぜ、1回だけ陽性になるのでしょうか

大腸ポリープや早期の大腸がんは、常に出血しているとは限りません。表面がこすれたとき、便が通過したとき、便の硬さや腸の動きによって、出血したりしなかったりします。

そのため、2日分の便を調べたときに、1日目は陰性、2日目は陽性ということが起こります。これは「検査結果があいまい」というより、病変からの出血そのものが間欠的であるためと考えると分かりやすいです。

内視鏡検査を数多く行っていると、便潜血陽性をきっかけに、症状のない大腸ポリープや早期の病変が見つかる場面があります。患者さんご本人は「何も症状がないので大丈夫だと思っていました」とおっしゃることもあります。大腸がん検診の価値は、症状が出る前の段階で拾い上げるところにあります。

もう一度便潜血検査をして陰性なら大丈夫?

ここもよく相談される点です。

国立がん研究センターのがん情報サービスでは、大腸がんは毎日出血しているわけではないため、1日分でも便潜血検査が陽性となった場合は精密検査が必要と説明されています。また、便潜血検査をもう一度受けることは、精密検査の代わりにはならないとされています。

再検査で陰性になったとしても、それは「その日に便へ血液が混じらなかった」という意味にとどまります。大腸ポリープや大腸がんがないことを確認した結果ではありません。

痔がある場合はどう考えるか

痔がある方では、便潜血陽性の原因が痔からの出血であることもあります。これは実際にあり得ます。

ただし、「痔があること」と「大腸に病変がないこと」は別の話です。便潜血検査だけで、出血が痔からなのか、大腸ポリープや大腸がんからなのかを区別することはできません。

この点は、がん診療に関わってきた立場からも慎重にお伝えしたいところです。「痔だと思っていた」という理由で精密検査が遅れることは、できれば避けたい場面です。もちろん、必要以上に怖がる必要はありません。検査で確認し、何もなければ安心材料になりますし、ポリープが見つかれば治療や経過観察につなげられます。

最近大腸カメラを受けたばかりの場合

最近、大腸カメラを受けて異常がなかった方が、その後に便潜血陽性となることもあります。この場合は、前回の検査時期、観察の質、腸管洗浄の状態、ポリープ切除歴、症状の有無などによって考え方が変わります。

国立がん研究センターも、直近の大腸内視鏡検査で異常がなく、その後の便潜血検査で陽性となった場合に、再度精密検査を受ける必要があるかについては国として方針が決まっていないと説明しています。迷う場合は、前回の内視鏡検査を担当した医師に相談するのが現実的です。

当院で大切にしている考え方

便潜血陽性を説明するとき、当院では「すぐに大腸がんと決めつけないこと」と「1回だけだから大丈夫と決めつけないこと」の両方を大切にしています。

内視鏡検査は、患者さんにとって心理的なハードルがあります。下剤の不安、痛みへの不安、仕事や家庭の予定、費用のことなど、検査を受ける前に考えることは多いと思います。

だからこそ、単に「陽性だから検査です」とお伝えするのではなく、どの程度の意味がある陽性なのか、どのような病変が見つかる可能性があるのか、検査で何を確認するのかを、できるだけ納得できる形で説明したいと考えています。

当院では、便潜血陽性を指摘された方のご相談、大腸カメラ、胃カメラと大腸カメラの同日検査、日帰り大腸ポリープ切除に対応しています。検査の必要性やタイミングは、年齢、症状、過去の検査歴、内服薬、既往歴などを確認したうえでご提案します。

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まとめ

便潜血検査で2回中1回だけ陽性だった場合、2回とも陽性の場合に比べると、大腸がんや高リスクポリープが見つかる確率は低くなります。

しかし、論文データを見ると、1回だけ陽性でも大腸がんや高リスクポリープ、進行性腫瘍が見つかることがあります。再度の便潜血検査で陰性になったとしても、大腸に病変がないことを確認したことにはなりません。

便潜血陽性は、慌てすぎる必要はありません。ただ、放置しすぎない方がよい結果です。健診や大腸がん検診で「要精密検査」と言われた方は、消化器内科や内視鏡内科で一度相談してみてください。

尼崎市・塚口周辺で大腸カメラをご検討の方は、検診結果をお持ちのうえでご相談ください。

参考文献・参考情報

阪急塚口駅前いのうえ消化器内科・内視鏡クリニック|消化器内科・内視鏡内科・肛門外科・内科

当院は、尼崎市・阪急塚口駅北口から徒歩1分の立地にあり、通勤やお買い物ついでにも立ち寄りやすい環境です。

また、伊丹市・西宮市・豊中市・大阪市(淀川区、西淀川区)などの隣接エリアや、
阪急西宮北口駅・武庫之荘駅・園田駅・神崎川駅・十三駅・稲野駅・新伊丹駅・伊丹駅といった周辺の駅からのアクセスも良好です。
JR猪名寺駅、塚口駅、尼崎駅や立花駅からはバスでのご来院も便利です。

遠方からお越しの方にもスムーズにご来院いただけるよう、アクセス情報は公式サイトにも詳しく掲載しています。
胃カメラ・大腸カメラなどの検査をご希望の方も、どうぞお気軽にご相談ください。

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