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尼崎市の阪急塚口駅前いのうえ消化器内科・内視鏡クリニックです。
最近、「GLP-1の薬を使っていますが、胃カメラや大腸カメラは受けられますか」「注射を始めてから胃もたれや便秘が気になります」と相談されることがあります。
GLP-1受容体作動薬やGIP/GLP-1受容体作動薬は、糖尿病治療や肥満症治療で使われる薬です。オゼンピック、リベルサス、ウゴービ、マンジャロ、トルリシティ、ビクトーザなどの商品名で聞いたことがある方も多いかもしれません。
消化器内科の立場で大切なのは、「薬を使っているから内視鏡検査ができない」と単純に考えることではありません。胃もたれ、吐き気、便秘、腹部膨満感などの症状があるか、薬を始めたばかりか、最近増量したか、鎮静剤を使う検査か。こうした情報をもとに、検査前の準備を個別に考えることです。
この記事では、GLP-1薬を使用中の方に向けて、起こりやすい胃腸症状、胃カメラ・大腸カメラ前に伝えておきたいこと、自己判断で薬を中止しないための考え方を整理します。
GLP-1薬で相談されやすい胃腸症状
GLP-1薬は、血糖や食欲に関わる作用を持つ一方で、胃腸の動きにも影響することがあります。特に、胃から食べ物が送り出されるスピードが遅くなる「胃排出遅延」は、胃もたれや吐き気、内視鏡検査前の注意点と関係します。
米国のOzempicのPrescribing Informationでも、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、便秘などの消化器症状や、胃排出遅延に関する注意が記載されています。体重管理目的で使われるWegovyのPrescribing Informationでも、同様に胃腸症状は重要な注意点です。
実際の外来では、次のような相談が多い印象です。
- 食事量は少ないのに胃が重い
- 少し食べるとすぐ満腹になる
- 吐き気が続く
- 便秘が強くなった
- 下痢や腹部膨満感がある
- 内視鏡検査前に薬をどうしたらよいか分からない
もちろん、胃もたれや便秘の原因がすべてGLP-1薬とは限りません。胃炎、胃潰瘍、逆流性食道炎、胆のう・膵臓の病気、大腸の病気などが関係することもあります。薬の影響だけと決めつけず、症状の経過を確認することが大切です。
胃カメラ前にGLP-1薬を伝えてほしい理由
胃カメラでは、検査前に絶食時間を守っていただきます。しかしGLP-1薬の影響で胃の動きがゆっくりになっている場合、通常の絶食をしていても胃の中に食べ物が残っていることがあります。
胃の中に食べ物が残っていると、粘膜の観察が不十分になったり、検査を延期したりすることがあります。また、鎮静剤を使用する場合には、胃内容物の逆流や誤嚥にも注意が必要です。
American Gastroenterological Associationの見解では、GLP-1薬を使っているすべての患者さんに一律で中止を求めるのではなく、吐き気、嘔吐、胃もたれ、腹部膨満感などの症状があるかを含めて個別に判断する考え方が示されています。
この考え方は、当院で説明するときにも現実的だと感じています。「薬を使っているから検査できません」ではなく、「今の症状と薬の使い方を確認して、検査前の準備をどうするか考えましょう」という姿勢が大切です。
大腸カメラでは便秘と前処置がポイントになります
大腸カメラでは、腸の中をきれいにする前処置が検査の質に直結します。GLP-1薬を使い始めてから便秘が強くなった方、もともと便秘がある方、吐き気や胃もたれがあり下剤を飲みにくそうな方では、前日の食事内容や下剤の飲み方を工夫した方がよい場合があります。
内視鏡検査を数多く行っていると、検査そのものよりも「準備がうまくいくか」が不安という方に多く出会います。GLP-1薬を使用中の方では、薬の名前、使用目的、最後に使った日、開始直後か増量後か、最近の便通や吐き気の有無を事前に伝えていただくことで、準備を考えやすくなります。
検査前に伝えておきたいこと
胃カメラや大腸カメラを受ける前には、糖尿病薬、血液をサラサラにする薬、睡眠薬などと同じように、GLP-1薬や体重管理目的の注射・内服薬も医療機関へ伝えてください。
GLP-1薬は内視鏡検査前に中止した方がよいですか?
自己判断で中止しないでください。
GLP-1薬を中止するか、継続するか、食事内容を調整するかは、薬の目的、糖尿病の有無、血糖コントロール、薬の種類、症状、検査内容、鎮静剤を使うかどうかによって変わります。
糖尿病治療で使用している薬を自己判断で中止すると、血糖が乱れる可能性があります。一方で、吐き気や嘔吐、強い胃もたれ、腹部膨満感がある方では、検査前に食事内容や検査日程を含めて調整が必要になることがあります。
米国麻酔科学会などの複数学会による2024年のGLP-1薬に関する臨床ガイダンスでも、多くの患者さんでは継続可能としつつ、リスクが高い方では液体食や検査前対応を検討する考え方が示されています。日本の診療現場では、処方医と検査を行う医療機関で個別に確認することが大切です。
早めに相談した方がよい症状
GLP-1薬を使用中で、次のような症状がある場合は、早めに医療機関へ相談してください。
- 強い腹痛
- 繰り返す嘔吐
- 水分が取れない
- 急にお腹が張って、便やガスが出にくい
- 黒い便や血便がある
- 発熱を伴う腹痛
- 胃もたれや吐き気が長く続く
薬の副作用として説明できる症状もありますが、別の消化器疾患が隠れていることもあります。症状に応じて、血液検査、腹部CT、胃カメラ、大腸カメラなどを組み合わせて確認します。
消化器内科医の視点:薬の話と内視鏡の話はつながっています
院長の立場から見ると、GLP-1薬は「体重を減らす薬かどうか」だけで語るよりも、胃腸の動きに影響する薬として理解しておくことが大切です。
当院院長は、これまで内視鏡検査に20,000件以上携わり、京都大学医学博士としての研究経験に加え、京都大学病院、大阪国際がんセンターなどで消化器診療・がん診療を経験してきました。内視鏡検査では、検査前の情報が安全性と検査精度に直結します。普段飲んでいる薬、注射薬、サプリメント、自由診療で使っている薬剤も含めて事前に伝えていただくことで、その方に合った準備を考えやすくなります。
「薬を使っていることを言うと検査を断られるのでは」と心配される方もいますが、目的は検査を安全に、できるだけ正確に行うための準備です。隠したり、自己判断で中止したりせず、一緒に確認していく方が現実的です。
当院で相談できること
阪急塚口駅前いのうえ消化器内科・内視鏡クリニックでは、GLP-1薬を使用中の方の胃もたれ、吐き気、腹痛、便秘、下痢、血便などのご相談に対応しています。症状に応じて、診察、血液検査、腹部CT、胃カメラ、大腸カメラなどをご提案します。
- 胃もたれ、吐き気、胸やけが続く方の胃カメラ検査
- 便秘、下痢、血便、便通変化がある方の大腸カメラ検査
- 腹痛や腹部膨満感に対する腹部CT検査
- 鎮静剤を使用した胃カメラ・大腸カメラ
- 胃カメラと大腸カメラの同日検査
GLP-1薬を使用中で胃もたれや吐き気が続く方、内視鏡検査前の薬の扱いが不安な方は、検査前に薬の名前、使用目的、最後に使用した日、最近の胃腸症状をお知らせください。
まとめ
GLP-1薬は、糖尿病治療や肥満症治療で使われる一方、胃もたれ、吐き気、便秘、下痢、腹部膨満感などの胃腸症状と関係することがあります。
胃カメラや大腸カメラを受ける際には、GLP-1薬を使用していることを事前に伝えてください。特に、薬を始めたばかり、最近増量した、吐き気や胃もたれが強い、便秘が続いている方は、検査前の準備を個別に考える必要があります。
薬を自己判断で中止するのではなく、処方医と検査を行う医療機関に相談しながら、安全に検査を受ける準備を進めましょう。
参考文献・参考情報
- American Gastroenterological Association. AGA does not endorse all patients stopping popular diabetes and weight loss drugs prior to endoscopy.
- American Society of Anesthesiologists. New Multi-Society GLP-1 Clinical Practice Guidance Released.
- Ozempic Prescribing Information.
- Wegovy Prescribing Information.
当院は、尼崎市・阪急塚口駅北口から徒歩1分の立地にあり、通勤やお買い物ついでにも立ち寄りやすい環境です。
また、伊丹市・西宮市・豊中市・大阪市(淀川区、西淀川区)などの隣接エリアや、
阪急西宮北口駅・武庫之荘駅・園田駅・神崎川駅・十三駅・稲野駅・新伊丹駅・伊丹駅といった周辺の駅からのアクセスも良好です。
JR猪名寺駅、塚口駅、尼崎駅や立花駅からはバスでのご来院も便利です。
遠方からお越しの方にもスムーズにご来院いただけるよう、アクセス情報は公式サイトにも詳しく掲載しています。
胃カメラ・大腸カメラなどの検査をご希望の方も、どうぞお気軽にご相談ください。


