国立がん研究センター「がん予防法」2026最新版|消化器がん予防で変わったこと|阪急塚口駅前いのうえ消化器内科・内視鏡クリニック|尼崎市の胃カメラ・大腸カメラ

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国立がん研究センター「がん予防法」2026最新版|消化器がん予防で変わったこと

国立がん研究センター「がん予防法」2026最新版|消化器がん予防で変わったこと|阪急塚口駅前いのうえ消化器内科・内視鏡クリニック|尼崎市の胃カメラ・大腸カメラ

尼崎市の阪急塚口駅前いのうえ消化器内科・内視鏡クリニックです。

「がんを予防するには、結局何をすればよいのでしょうか」「食事に気をつけて、毎年人間ドックを受けていれば十分ですか」と聞かれることがあります。

2026年5月26日、国立がん研究センターが「日本人のためのがん予防法」最新版を公開しました。今回も基本は「たばこ・お酒・食生活・身体活動・体重」の5項目に「感染」を加えた「5+1」ですが、体重の目標や、肥満・やせと各種がんの関係について重要な更新が加わっています。

消化器内科の立場から読むと、食道がん、胃がん、大腸がん、肝がん、膵がんなどに関係する内容が多く含まれます。一方で、「これを守ればがんにならない」というマニュアルではありません。生活習慣で発症リスクを下げること、ピロリ菌や肝炎ウイルスなど原因となる感染へ対処すること、検診や内視鏡で早期発見につなげることを組み合わせて考えるのが大切です。

最新版の「がん予防法5+1」とは

国立がん研究センターが示した基本項目は次の6つです。

  • ・たばこは吸わず、他人のたばこの煙を避ける
  • ・飲酒を控える
  • ・減塩し、野菜・果物不足を避け、熱い飲食物は冷ましてとる
  • ・日常生活を活動的に過ごす
  • ・体重を適切な範囲に保つ
  • ・肝炎ウイルス、ピロリ菌、HPVなどの感染を検査・治療・予防する

ここでいう「予防」は、がんになる可能性をゼロにするという意味ではありません。国立がん研究センターも、生活習慣の改善で必ずしもがんを防げるわけではなく、無理のない範囲でリスクを減らすことが目的だと説明しています。

ただ、複数の生活習慣をまとめて実践する意味は小さくありません。国立がん研究センター「科学的根拠に基づくがん予防法」では、40~69歳の男女約14万人を対象とした研究で、5つの好ましい生活習慣を実践した人は、0~1項目のみ実践した人と比べ、がんになるリスクが男性で43%、女性で37%低かったと推計されています。これは個人の将来を予測する数字ではありませんが、生活習慣を一つだけでなく、組み合わせて整える意義を示すデータです。

2026年最新版は、これまでと何が変わったのか

1.BMIの目標が、男女とも21~25になった

一般の方にとって最も分かりやすい変更は、体重の目標です。2024年版の公式パンフレットでは、中高年期男性のBMIは21~27、女性は21~25が目安でした。2026年版では、男性・女性ともにBMI 21~25へ変更されました。

BMIは「体重kg ÷ 身長m ÷ 身長m」で求めます。ただし、25を少し超えたら急に危険になる、21未満なら直ちにがんになる、という境界線ではありません。筋肉量、年齢、持病、栄養状態によって適切な体重管理は変わります。最新版も目標値はあくまで一つの目安であり、やせすぎと太りすぎの両方を避ける考え方を強調しています。

2.肥満だけでなく「やせ」と消化器がんの関係も更新された

2026年版では、日本人の研究に基づき、肥満による肝がんのリスク上昇は「確実」、大腸がんは「ほぼ確実」、男性の膵がんと胃の入口付近にできる噴門部胃がんは「可能性あり」と評価されています。

一方、やせと食道扁平上皮がんの関係も「可能性あり」と記載されました。がん予防というと減量ばかりが注目されがちですが、体重を落とせば落とすほどよいわけではありません。特に、意図せず体重が減っている場合は、生活改善の成果と決めつけず、消化器疾患を含めた確認が必要です。

3.身長と大腸がんの評価が上がった

高身長と大腸がん・結腸がんの関係は「確実」、直腸がんは「可能性あり」へ更新されました。しかし、身長は変えられる生活習慣ではありません。背の高い方に不安を与えるための情報でもありません。

このような変えられない要因は、喫煙、飲酒、体重、家族歴、便潜血結果などと同様に、自分の背景を理解する材料の一つとして扱います。「身長が高いから大腸カメラを受ける」という単純な判断ではなく、年齢や症状、検診結果、ポリープ歴、家族歴を合わせて考えるのが現実的です。

4.身体活動の目安が新しい国のガイドに合わせて更新された

成人では、歩行または同等以上の身体活動を1日60分以上、目安として約8,000歩以上に加え、息がはずみ汗をかく程度の運動を週60分以上行うことが示されています。65歳以上では1日40分以上、約6,000歩以上に加え、有酸素運動、筋力、バランス、柔軟性を含む運動を週3日以上という内容です。

最初から数字をすべて達成しようとする必要はありません。座っている時間を短くする、一駅分歩く、階段を使うなど、今より少し活動量を増やすことから始める方が続けやすいと思います。

消化器がんの予防として、何を優先すればよいか

喫煙と飲酒:食道・胃・大腸・肝臓・膵臓まで広く関係する

喫煙は肺がんだけの問題ではありません。最新版では、日本人において食道、胃、大腸、肝臓、膵臓など複数の消化器がんと関係することが示されています。

飲酒は、食道扁平上皮がん、肝がん、大腸がん、男性の胃がんなどと関係します。近年の改訂では、「適量なら予防になる」という書き方ではなく、がんリスクを減らす観点では飲まないことが最も明確とされました。飲む場合も量を減らし、飲まない日を作ることが現実的な一歩になります。

特に食道がんでは、喫煙と飲酒が重なるとリスクがさらに高くなることが知られています。国立がん研究センターの飲酒と食道がんに関する評価では、アルコールの代謝が遅い体質との関係も検討されています。お酒を飲むと顔が赤くなる方、喫煙歴がある方、飲酒量が多い方は、胸やけや飲み込みにくさなどの症状がなくても、胃カメラを検討する背景になります。

食生活:減塩、野菜・果物、熱い飲み物を少し冷ます

食生活では、塩蔵食品や食塩の多い食事と胃がん、野菜・果物不足と食道がん・胃がんなどの関係が整理されています。目標は食塩摂取量を1日あたり男性7.5g未満、女性6.5g未満、野菜350g、果物200gです。

また、非常に熱い飲み物や食べ物は食道粘膜を傷つけ、食道がんのリスクを高めると評価されています。熱いお茶や汁物を完全にやめる必要はありませんが、口に入れて熱いと感じるものは少し冷ましてからとる習慣が役立ちます。

加工肉と赤肉は2024年改訂で「5+1」の中心項目から「その他の項目」へ移動しましたが、関係が否定されたわけではありません。最新版でも、国際的には加工肉と大腸がんの関係は「確実」、赤肉は「ほぼ確実」とされ、日本人女性でもリスク上昇の可能性があると評価されています。特定の食品を完全に禁止するより、加工肉に偏らず、魚、鶏肉、大豆製品なども組み合わせる考え方が続けやすいでしょう。

感染対策:ピロリ菌と肝炎ウイルスは「検査して対処できる」

消化器内科の視点で「5+1」の中でも特に重要なのが、最後の「感染」です。

最新版では、ピロリ菌感染により胃がんリスクが高くなること、除菌により胃がんリスクが低くなることは、いずれも「確実」と評価されています。ピロリ菌の検査歴が分からない方は、一度確認する意味があります。

ただし、除菌に成功しても胃がんのリスクがゼロになるわけではありません。ピロリ菌によって胃粘膜の萎縮が進んでいる方では、除菌後も胃がんが発生することがあります。除菌できたかを確認し、その後の胃カメラの間隔を胃粘膜の状態や既往歴に合わせて考えることが大切です。

B型・C型肝炎ウイルスは肝がんと強く関係します。過去の輸血や手術歴に心当たりがなくても感染している場合があるため、検査を受けた記憶がない方は、一度は肝炎ウイルス検査を確認しておくとよいでしょう。陽性の場合は、治療や定期的な画像検査・血液検査について専門医へ相談します。

消化器内科医の視点:予防は「生活・感染・早期発見」の3層で考える

当院院長は、これまで20,000件以上の内視鏡検査に携わり、京都大学医学博士としての研究経験に加え、京都大学病院、大阪国際がんセンターなどで消化器がんの診療を経験してきました。

その経験から、患者さんにがん予防を説明するときは、次の3層に分けると分かりやすいと感じています。

  1. 生活習慣で、がんが発生するリスクを下げる
  2. ピロリ菌や肝炎ウイルスなど、対処できる原因を見つける
  3. 検診や内視鏡で、症状のない段階の病変を見つける

生活習慣が整っていても、がんが発生することはあります。反対に、生活習慣に改善点があっても、必ずがんになるわけではありません。ですから、生活改善だけで安心したり、過去の生活を責めたりするのではなく、変えられる要因を少しずつ整えながら、必要な検診や検査を受けることが現実的です。

大腸では、検診で早期発見するだけでなく、大腸カメラで将来がんになる可能性のある腺腫性ポリープを見つけて切除することが、がん予防にもつながります。国立がん研究センター中央病院の解説でも、ポリープの段階で切除することは大腸がん予防の基本とされています。

Q.生活習慣を改善すれば、胃カメラや大腸がん検診は不要ですか?

いいえ。生活習慣の改善と、がん検診・内視鏡検査は役割が異なります。

生活改善は「がんが発生するリスクを下げる」取り組みです。検診は「症状のない段階でがんを見つけ、死亡リスクを下げる」取り組みです。どちらか一方で十分という関係ではありません。

国が推奨する一般的ながん検診では、症状のない方を対象に、胃がん検診は50歳から2年に1回、胃部X線検査または胃内視鏡検査が推奨されています。大腸がん検診は40歳から年1回の便潜血検査が基本です。

ただし、胃痛、黒い便、血便、便通の変化、飲み込みにくさ、貧血、意図しない体重減少などがある場合は「検診」の対象ではなく、診療として早めに消化器内科へ相談する場面です。また、便潜血が1回でも陽性なら、精密検査として大腸カメラを検討します。

今日から確認できる、消化器がん予防のチェックリスト

  • 喫煙している方は、禁煙や本数を減らす方法を相談する
  • 飲酒量と休肝日を一度記録してみる
  • 塩蔵食品や加工肉に偏らず、野菜・果物を不足させない
  • 熱い飲み物や汁物は少し冷ましてからとる
  • 座る時間を減らし、今より少し多く歩く
  • BMIだけでなく、意図しない体重増減がないか確認する
  • ピロリ菌の検査・除菌歴、除菌判定の結果を確認する
  • B型・C型肝炎ウイルス検査を受けたことがあるか確認する
  • 対象年齢になったら胃がん検診・大腸がん検診を定期的に受ける
  • 症状や健診異常がある場合は、次の検診を待たずに相談する

当院で相談できること

阪急塚口駅前いのうえ消化器内科・内視鏡クリニックでは、消化器がんの予防や早期発見に関する相談に対応しています。ピロリ菌検査・除菌後の確認、胃カメラ、便潜血陽性後の大腸カメラ、大腸ポリープの日帰り切除、肝炎ウイルス検査、血液検査、腹部CT、人間ドックなどを、年齢、症状、既往歴、家族歴に応じて組み合わせて考えます。

「何の検査をどの間隔で受ければよいか分からない」という方は、これまでの検診結果、内視鏡結果、ピロリ菌の除菌歴、服用中の薬などが分かる資料をお持ちいただくと、検査の重複を避けながら整理しやすくなります。


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まとめ

国立がん研究センターの2026年最新版では、「たばこ・お酒・食生活・身体活動・体重+感染」という基本は維持されつつ、BMIの目標が男女とも21~25となり、肥満と噴門部胃がん、やせと食道扁平上皮がん、身長と大腸がんなどの評価が更新されました。

消化器がんの予防は、特定の食品や検査一つで完結するものではありません。生活習慣を無理のない範囲で整え、ピロリ菌や肝炎ウイルスなど対処できる原因を確認し、対象年齢や個人のリスクに応じた検診・内視鏡を組み合わせることが大切です。

まずは、喫煙・飲酒、体重変化、ピロリ菌と肝炎ウイルスの検査歴、最後に胃がん・大腸がん検診を受けた時期のうち、確認しやすいものを一つ見直してみてください。

参考文献・参考情報

阪急塚口駅前いのうえ消化器内科・内視鏡クリニック|消化器内科・内視鏡内科・肛門外科・内科

当院は、尼崎市・阪急塚口駅北口から徒歩1分の立地にあり、通勤やお買い物ついでにも立ち寄りやすい環境です。

また、伊丹市・西宮市・豊中市・大阪市(淀川区、西淀川区)などの隣接エリアや、
阪急西宮北口駅・武庫之荘駅・園田駅・神崎川駅・十三駅・稲野駅・新伊丹駅・伊丹駅といった周辺の駅からのアクセスも良好です。
JR猪名寺駅、塚口駅、尼崎駅や立花駅からはバスでのご来院も便利です。

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