大腸がん手術でストマ(人工肛門)が必要になる理由|大腸カメラとの関係|阪急塚口駅前いのうえ消化器内科・内視鏡クリニック|尼崎市の胃カメラ・大腸カメラ

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大腸がん手術でストマ(人工肛門)が必要になる理由|大腸カメラとの関係

大腸がん手術でストマ(人工肛門)が必要になる理由|大腸カメラとの関係|阪急塚口駅前いのうえ消化器内科・内視鏡クリニック|尼崎市の胃カメラ・大腸カメラ

尼崎市の阪急塚口駅前いのうえ消化器内科・内視鏡クリニックです。

最近、著名人がストマ(人工肛門)について公表したニュースをきっかけに、「大腸がんの手術を受けると、誰でもストマになるのでしょうか」「ストマが必要ということは、かなり進行しているのでしょうか」と心配される方が増えています。

結論からお伝えすると、大腸がんと診断された方全員にストマが必要になるわけではありません。ストマが必要かどうかは、がんのステージだけでなく、がんができた場所、肛門を締める筋肉との関係、切除後の腸を安全につなげられるか、腸閉塞や穿孔の有無、もともとの肛門機能や全身状態などを合わせて判断します。

また、ストマには生涯使用する「永久ストマ」と、将来閉じることを想定した「一時的ストマ」があります。一時的ストマは、がんが進行しているからではなく、肛門を残した手術のあとに腸のつなぎ目を守る目的で造られることがあります。

この記事では、大腸がん手術でストマが必要になる理由を、内視鏡医の視点から整理します。そして、早期発見が治療の選択肢を広げること、大腸カメラがその入口になることについてお伝えします。

そもそもストマ(人工肛門)とは

ストマとは、手術で腸管の一部をおなかの表面に出して造る便の出口です。便は専用の装具(パウチ)で受け止めます。

国立がん研究センターの大腸がん治療の解説でも、ストマには一時的なものと永久的なものがあると説明されています。

ストマを造った後は、装具の扱いや皮膚ケアを看護師と練習します。慣れるまで時間が必要な方もいますが、装具を適切に管理しながら外出、入浴、軽い運動などを続けることは可能です。ストマは生活の終わりではなく、治療後の生活を支えるための新しい排泄経路です。

  • 永久ストマ:肛門も一緒に切除した場合や、腸を安全につなげることが難しい場合などに造る
  • 一時的ストマ:腸のつなぎ目を休ませて守り、回復後に閉鎖することを想定して造る

「一時的」と説明された場合でも、閉鎖する時期は、その後のがん治療、腸のつなぎ目や肛門機能、全身状態によって変わります。予定どおり閉鎖できないこともあるため、造設前に見通しを確認することが大切です。

大腸がん手術でストマが必要になる4つの主な理由

1.がんが肛門に非常に近い、または肛門括約筋に及んでいる

ストマが必要になるかを考えるうえで、最も重要な要素の一つががんの位置です。

結腸がんでは、がんを含む腸を切除したあと、残った腸同士をつなげられることが多く、通常はストマを必要としません。一方、直腸がん、特に肛門に近い下部直腸がんでは、がんを安全に取り切るために肛門や肛門括約筋も切除しなければならない場合があります。その場合は、便の出口として永久ストマが必要になります。

逆に、肛門に近いがんでも、がんの広がりと術後の肛門機能を慎重に評価したうえで、肛門を温存できる場合があります。ただし、「肛門を形として残せること」と「手術後に排便を十分コントロールできること」は同じではありません。がんを確実に切除することと、手術後の生活の質を合わせて考える必要があります。

つまり、同じ大腸がんでも、ステージだけではストマの必要性は決まりません。比較的早い段階でも病変が肛門に極めて近ければストマが検討されることがあり、進行していても病変の位置や治療経過によっては肛門を温存できる場合があります。

2.肛門を残した手術後の「つなぎ目」を守る

直腸がんで肛門を残す手術では、がんを切除したあとに腸と直腸、または腸と肛門をつなぎます。このつなぎ目を「吻合部」と呼びます。

吻合部が肛門に近いほど、血流や腸管内の圧力などの影響で、つなぎ目から便が漏れる「縫合不全」のリスクが高くなります。縫合不全が起こると、腹膜炎や骨盤内の感染につながり、再手術が必要になることがあります。

そこで、便が吻合部を通らないよう上流に一時的ストマを造り、つなぎ目が治るまで保護することがあります。これは、肛門を切除したためではなく、肛門を温存した手術を安全に成立させるためのストマです。

低位前方切除術を対象とした8件のランダム化比較試験のメタ解析では、一時的ストマを造った群は、造らなかった群と比べ、縫合不全が6.3%対18.3%、再手術が5.9%対16.7%と少ない結果でした。ただし、海外の研究を含み、手術年代、術式、患者背景が異なるため、この数字を個々の患者さんの確率としてそのまま当てはめることはできません。

3.腸閉塞や穿孔があり、まず便の通り道を確保する必要がある

大腸がんが大きくなって腸をふさぐと、便やガスが通らない腸閉塞を起こすことがあります。さらに腸に穴が開いて腹膜炎を起こした場合は、命を守るための緊急治療が必要です。国立がん研究センター東病院の手術解説でも、便がおなかの中に広がり腹膜炎を起こした場合には、救命のため一時的ストマを造ることが説明されています。

腸が大きく腫れている、炎症が強い、便がたまっているといった状況では、その場で腸をつなぐことが危険な場合があります。そのため、まずストマを造って便の流れを変え、感染や腸閉塞を治療することがあります。病状によっては、内視鏡で大腸ステントを留置して閉塞を解除し、落ち着いてから手術を行う方法も検討されます。

国立がん研究センター中央病院の解説でも、腫瘍による腸閉塞で切除が難しい場合や、手術後に縫合不全が生じた場合にストマを造ることが示されています。

4.安全性と手術後の排便機能を総合して判断する

腸をつなぐことが技術的に可能でも、もともとの肛門括約筋の力、年齢、栄養状態、持病、手術前の放射線治療、炎症の程度などによっては、縫合不全や手術後の強い排便障害が心配されることがあります。

肛門を温存したあとに、頻回の便、急な便意、便漏れなどが続く可能性もあります。そのため、肛門を残すことだけを目標にするのではなく、がんを安全に切除できるか、排便機能を保てるか、患者さんがどのような生活を大切にしているかを外科チームと話し合って術式を決めます。

Q.ストマが必要と言われたら「末期」ということですか?

いいえ。ストマが必要であることと、がんが末期であることは同じではありません。

治癒を目指す直腸がん手術でも、つなぎ目を守るために一時的ストマを造ることがあります。また、がんが比較的限られていても、肛門に極めて近ければ永久ストマが必要になる場合があります。反対に、進行がんであっても治療内容によってはストマを造らないことがあります。

ストマは「治療がうまくいかなかった印」ではありません。がんを安全に切除する、重い合併症を避ける、腸閉塞や腹膜炎から命を守るという目的を持つ治療手段です。

内視鏡医として感じること:治療の選択肢は「見つかった時点」で変わる

私は外科医として大腸がん手術を執刀する立場ではありません。一方、これまで20,000件以上の内視鏡検査に携わり、京都大学医学博士としての研究経験に加え、京都大学病院、大阪国際がんセンターなどで、大腸カメラによる発見から外科治療へつなぐ大腸がん診療を経験してきました。

大腸カメラで病変を見つけたとき、内視鏡医が確認しているのは、がんらしいかどうかだけではありません。病変が肛門からどのくらい離れているか、表面の模様や硬さからどの程度深く入り込んでいると考えられるか、内視鏡で一括切除できるか、腸を狭くしていないかを評価します。

その情報と、切除または生検で得た病理結果、CTやMRIの所見を合わせて、内視鏡治療で完結できるのか、リンパ節を含めた外科手術が必要なのかを判断します。ストマが必要かどうかの最終判断は外科で行いますが、その前段階となる正確な位置・深さの評価は、治療方針を考えるうえで重要です。

早期発見で、内視鏡治療という選択肢が生まれる

大腸がんが粘膜内、または粘膜下層の浅い部分にとどまり、リンパ節転移の可能性がほとんどないと判断できる場合は、大腸カメラを使ったポリペクトミー、EMR、ESDなどで切除できることがあります。

国立がん研究センター中央病院の内視鏡治療の解説にもあるように、内視鏡治療で完結できれば、おなかを切る外科手術を行わず、腸管を温存できます。当然、通常はストマを造る必要もありません。

ただし、早期発見すれば必ずストマを避けられる、という意味ではありません。内視鏡治療後の病理検査でリンパ節転移の危険が分かれば、追加手術が必要になります。また、早期であっても病変の位置や広がりによっては外科治療が必要です。

それでも、症状のない段階、腸閉塞になる前、内視鏡で切除できる深さで見つけることは、治療の選択肢を広げ、緊急手術や大きな手術を避けられる可能性につながります。

大腸カメラは、がんを見つけるだけでなく「がんになる前」に介入できる

大腸カメラの大きな特徴は、がんを早期に見つけるだけでなく、将来がんになる可能性のある腺腫性ポリープを発見し、その場で切除できることです。

米国National Polyp Studyの長期追跡では、腺腫を内視鏡で切除した2,602人を中央値15.8年間追跡し、大腸がんによる死亡は12人でした。一般人口から推定された25.4人と比べ、53%少ない結果です。これは1980~1990年代に登録された米国の紹介患者を対象にした研究で、ストマを避けられる割合を調べた研究ではありませんが、ポリープの段階で見つけて切除する意義を示しています。

国立がん研究センターの大腸がん検診では、症状のない40歳以上の方に年1回の便潜血検査が推奨されています。1日分でも陽性なら精密検査が必要で、便潜血検査のやり直しは大腸カメラの代わりにはなりません。

大腸カメラや消化器内科への相談を考えたいサイン

  • 便潜血検査が1日分でも陽性だった
  • 血便や便に血が付く状態を、痔だと思って放置している
  • 便が細くなった、便秘と下痢を繰り返すなど、便通が変化した
  • 原因の分からない貧血や体重減少がある
  • 過去に大腸ポリープを切除した、または血縁者に大腸がんの方がいる
  • 40歳以上で大腸がん検診を定期的に受けていない

強い腹痛、おなかの張り、嘔吐があり、便もガスも出ない場合は、腸閉塞の可能性があるため早めの医療機関受診が必要です。

当院で相談できること

阪急塚口駅前いのうえ消化器内科・内視鏡クリニックでは、便潜血陽性、血便、便通の変化、貧血などに対する診察と大腸カメラに対応しています。検査で切除可能なポリープが見つかった場合は、状態に応じて日帰り切除を行います。

大腸がんが疑われる病変を認めた場合は、病変の位置や広がりを記録し、必要な組織検査、血液検査、CTなどを行ったうえで、外科治療が可能な連携医療機関へご紹介します。ストマの可能性を含む具体的な術式は、画像検査や病理結果、肛門機能、全身状態を確認して外科医と相談することになります。

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まとめ

大腸がん手術でストマが必要になる理由は一つではありません。肛門に近い直腸がんを安全に切除するため、腸のつなぎ目を一時的に守るため、腸閉塞や穿孔から命を守るため、手術後の排便機能を考えるためなど、目的はそれぞれ異なります。

ストマは「末期の印」でも「治療の失敗」でもありません。一方で、大腸がんをポリープや内視鏡治療が可能な早期の段階で見つけられれば、外科手術やストマを必要としない治療で完結できる可能性があります。

ストマへの不安をきっかけに、まず見直していただきたいのは、便潜血検査の結果を放置していないか、血便や便通変化を痔や体質と思い込んでいないか、最後に大腸カメラを受けたのはいつか、という点です。症状がない時期から大腸を確認することが、将来の治療の選択肢を守ることにつながります。

参考文献・参考情報

阪急塚口駅前いのうえ消化器内科・内視鏡クリニック|消化器内科・内視鏡内科・肛門外科・内科

当院は、尼崎市・阪急塚口駅北口から徒歩1分の立地にあり、通勤やお買い物ついでにも立ち寄りやすい環境です。

また、伊丹市・西宮市・豊中市・大阪市(淀川区、西淀川区)などの隣接エリアや、
阪急西宮北口駅・武庫之荘駅・園田駅・神崎川駅・十三駅・稲野駅・新伊丹駅・伊丹駅といった周辺の駅からのアクセスも良好です。
JR猪名寺駅、塚口駅、尼崎駅や立花駅からはバスでのご来院も便利です。

遠方からお越しの方にもスムーズにご来院いただけるよう、アクセス情報は公式サイトにも詳しく掲載しています。
胃カメラ・大腸カメラなどの検査をご希望の方も、どうぞお気軽にご相談ください。

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