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尼崎市・塚口の阪急塚口駅前いのうえ消化器内科・内視鏡クリニックです。
大腸カメラ(下部消化管内視鏡)は、大腸の中を直接観察し、ポリープや早期大腸がんを発見できる重要な検査です。
実はこの検査では、「観察時間」が検査の質を大きく左右することがわかっています。
今回は、大腸カメラの観察時間と病変発見率の関係について、最新の知見を交えながら解説します。
● 「観察時間」とは?
大腸カメラでは、肛門から内視鏡を挿入して盲腸まで進め、その後カメラを抜きながら粘膜を観察していきます。
この「抜去にかける時間(withdrawal time)」が、いわゆる観察時間にあたります。
観察時間が短すぎると、大腸ポリープや平坦な早期がんを見逃してしまう可能性が高まります。
● 観察時間と病変発見率の関係
複数の研究により、観察時間が長いほど腺腫発見率(ADR:Adenoma Detection Rate)が高くなることが示されています。
米国の報告では、平均抜去時間が6分未満の検査では腺腫発見率が明らかに低く、
6分以上の観察で有意に発見率が向上したとされています。
(参考文献:Barclay RL et al. *N Engl J Med*. 2006;355:2533–2541.)
この研究では、抜去時間が6分未満の内視鏡医の平均腺腫発見率が約11.8%だったのに対し、
6分以上観察した内視鏡医では発見率が約28.3%に上昇したと報告されています。
つまり、少なくとも6分以上の観察時間を確保することが、良質な大腸カメラ検査の大前提といえます。
● なぜ時間が重要なのか?
大腸の粘膜はヒダが多く、特に盲腸やS状結腸などは見落としやすい部位です。
観察時間が短いと、ヒダの裏や屈曲部を十分に確認できず、小さなポリープを見逃してしまいます。
また、空気の入れすぎや洗浄不足でも視野が不十分となり、見逃しにつながります。
一方で、6〜10分程度をかけてしっかり観察すると、小さな腺腫や平坦型病変の検出率が上がることがわかっています。
このため、現在は「抜去時間6分以上」が、世界的にも1つの目安とされています。
● 当院の方針:6分以上を目安に丁寧な観察を
当院では、6分以上の観察時間を確保しながら、患者さんの負担をできるだけ少なくすることを重視しています。
検査を「早く終わらせる」ことよりも、「丁寧に観察して見逃さないこと」を第一に考えています。
また、以下のような取り組みで、検査の精度と快適さの両立を図っています。
- ・鎮静剤を用いた眠ったままの大腸カメラで、苦痛を軽減
- ・挿入中の過伸展を防ぎ、抜去時に安定した視野を確保
- ・粘液除去や洗浄を十分に行い、全体をクリアに観察
- ・ポリープを見つけた場合は、その場で日帰り切除も可能
さらに、京都大学医学部附属病院・大阪国際がんセンターで20,000件以上の内視鏡検査・治療を経験した院長が、
豊富な経験をもとに1件1件丁寧に観察を行っています。
● 観察時間を短くするとどうなる?
観察時間が短い場合、以下のようなリスクが生じます。
- ・大腸ポリープや早期がんの見逃し
- ・検査後にがんが発見される「interval cancer(見逃しがん)」の増加
- ・再検査が必要になるリスクの上昇
特に、「抜去時間が5分未満」の検査では腺腫発見率が低下するという報告が複数あります。
発見率を上げるには、6〜10分の観察が理想的とされています。
● 長すぎても良くない?観察時間の落とし穴
ただし、観察時間を長くしすぎると以下のようなデメリットもあります。
- ・鎮静剤の影響が長引く
- ・検査全体の効率が落ちる
- ・患者さんの体位保持や腹部膨満の負担が増す
そのため、当院では「必要十分な時間をかけて、無理のない観察」をモットーとしています。
● まとめ|6分以上の観察で見逃しのない検査を
大腸カメラの観察時間は、検査の「質」を左右する重要な指標です。
研究では、6分未満の観察では腺腫発見率が下がることがわかっており、6分以上が国際的な基準とされています。
当院では、6分以上を目安に、丁寧かつ患者さんにやさしい検査を心がけています。
「できるだけ楽に、確実に」——それが当院の内視鏡検査の理念です。
大腸カメラについて詳しくは、大腸カメラ検査のページもご覧ください。
当院は、尼崎市・阪急塚口駅北口から徒歩1分の立地にあり、通勤やお買い物ついでにも立ち寄りやすい環境です。
また、伊丹市・西宮市・豊中市・大阪市(淀川区、西淀川区)などの隣接エリアや、
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